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2020-07

日刊ゲンダイ「官邸落日」➉「問題のすり替え」

 早いもので日刊ゲンダイ「官邸落日」も今日の発売号で最終回になります。

 持続化給付金事業では、中小企業庁長官の前田泰宏が、事業発注の決裁責任者として吊し上げられてきた。米テキサス州でおこなわれるイベント「サウスバイサウスウエスト」(S×SW)の出張の折、「前田ハウス」と命名した宿舎で給付金事業のキーマンである元電通の平川建司と会っていたことから、経産省と電通との癒着疑惑を追及されてきた。
だが、それは的外れというほかない。参加者の一人に聞いた。
「S×SWは八〇年代に映画祭からスタートし、いまや世界のスタートアップ企業が集う。イベントのある3月はホテル代が1泊10万円以上に跳ね上がるので前田さんがシャアハウスを借りただけ。パーティー代込みで6泊21万円なら格安です。日本人なら皆行きます。パナソニックやソニーなどのメーカーもいたし電通もいる。その中に平川さんがいただけでしょう」(以下略)

 取材はまだまだ続けます。
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文藝春秋「持続化給付金の落とし穴」

 10日発売の文藝春秋8月号に持続化給付金問題を書きました。

持続化給付金事業に対する事業者の怒りが、おさまらない。名称通り、中小零細企業や個人事業主がコロナ禍に事業を続けられるようにする支援策だ。前の年と比べ売上げの半減した個人事業主に最大百万円、企業向けに最大二百万円を給付する。
政府はそのため二兆三千百七十六億円を二〇二〇年度の第1次補正予算で計上。さらに第二弾としてこれまで対象外だった今年創業の会社などへも支援を拡大し、一兆九千四百億円の予算を積み増した。四兆円を超える大盤振る舞いへの期待は高い。
ところが、五月一日に申請の受付けを始めた肝心の現金が、ひと月経っても届かない。そこから騒動に火がつき、わかりにくい事業そのものの仕組みに対する不評を買った。
そんな折に飛びだしたのが、持続化給付金事業の受け皿となった「サービスデザイン推進協議会」(以下サービス協議会)なる一般社団法人の存在だ。持続化給付金を配る経済産業省の外局である中小企業庁が、その事務手続きを得体の知れない社団法人に任せている。表向きコンサルタント会社「デロイトトーマツフィナンシャルアドバイザリー」と二社で受注を争う競争入札の形をとり、サービス協議会が給付の事務作業の費用として七百六十九億円で事業を受託した。だが、そ事業の受注経緯がいかにも胡散臭い。デロイトア社は単なるアテ馬ではないかと疑念を呼んだ。
四兆円を超える給付金事業の受け皿となったサービス協議会は電通、パソナ、トランスコスモスの幹部社員が代表理事に名を連ねている。電通が設立した社団法人だと言っていい。だが、そのオフィスには、常勤している社員も見あたらない。おまけに協議会は、請負額の七百六十九億円の九七%にあたる七百四十九億円で広告代理店の「電通」に再委託するという丸投げぶりだ。事業はそこから人材派遣業の「パソナ」やコールセンターの「トランスコスモス」などに再々委託されている。(以下略)

 またまたコロナの失政。

小池百合子は何をやったか

 本日発売の週刊現代「ジャーナリストの目」は先の東京都知事選をとりあげました。

 小池百合子が東京都知事選で圧勝した理由を問われると、答えは「対立候補の不在」と「コロナ対策」となるのだろう。では、初当選した4年前の選挙の勝因は? となると、どうか。すぐに思い浮ぶ有権者がどれほどいるだろうか。
 前回の都知事選は2016年7月のこと。ホテル三日月問題などで知事を追われた舛添要一の後継選挙である。今でこそジャンヌダルクなどと持ちあげられている当時の小池は、自民党女性議員の中でも高齢で、注目度の低い存在だった。「崖から飛び降りる覚悟で」と出馬宣言で当人が語ったが、それはまんざら嘘ではなく、最後の勝負に出たつもりだったのだろう。(以下略)

 パフォーマンスは政治家の信条とはいえ、政策の検証は欠かせません。

コロナ「特効薬」アビガン礼賛が消えた理由

 安倍首相の肝いりで、マスコミ、タレントがそろって絶賛していたアビガン。早期の薬事承認をするはずが、すっかり聞かなくなった理由について、昨日のワイドスクランブルで昭和大の二木教授が質問に答えていました。いわく「医師会から待ったがかかった」と。実際、あまりに前のめりの姿勢には疑問があがっていましたが、医師会の横倉前会長はむしろアビガンの承認を、と訴えてきました。今になって、なぜ医師会が待ったをかけたのか、それは会長選の影響でしょう。安倍さんや麻生さんに近い横倉会長がいなくなり、医師会としても薬の有効性に問題あり、と言えるようになったのかも。
 二木教授は「いまやコロナの入院患者が減り、治験の数が足りなくなった」とも言っていましたので、アビガンの承認は絶望的らしい。これも安倍政権の小さな躓きですが、そのほうがいい気がします。
 

サンデー毎日「鬼才 齋藤十一」⑥「週刊新潮の誕生」

 本日発売のサンデー毎日「鬼才 齋藤十一」の6回目はいよいよ週刊新潮の発刊物語です。

齋藤十一は週刊新潮を創刊するにあたり、新潮編集長時代から秘書のように傍にいた太田美和を編集部員に加えた。のちに齋藤の2番目の妻となる美和には、朝日新聞の発行する週刊朝日に勤める実兄がいた。週刊誌の発刊を聞いたその兄は、あるとき齋藤に会いにやって来た。そこで齋藤は言った。
「そんなにカッカしないで。『週刊朝日』は正道を行く。『週刊新潮』はバイパスを行きます。道は全然違うんだから、お互いの道で励みましょうよ」
齋藤の言った「バイパスを行きます」の真意こそが、「酒、カネ、女」という人間の欲望を描くことにほかならない。のちに新潮ジャーナリズムと呼ばれるようになる週刊新潮の記事づくりであり、齋藤はそこに挑戦した。
週刊新潮の創刊は1956」(昭和31)年2月。だが、すぐにそれができたわけではない。
「週刊新潮の創刊は、どんな雑誌を参考にしたのですか」
1993年4月から2001一年8月まで8年あまり週刊新潮の編集長を務めた松田宏は、生前の齋藤にそう尋ねたことがあるという。齋藤は答えた。
「初めはアメリカの『ザ・ニューヨーカー』を取り寄せて研究したんだよ」(以下略)

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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)、「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)など。最新刊は「ならずもの井上雅博伝 ヤフーを作った男」(講談社)。

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