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2019-06

なりものヤフー・井上雅博伝⑫「ヤフーのならずものたち」

 本日発売の週刊現代連載「なりもの」12回はいよいよヤフー編に突入します。

井上雅博は一九八七年一一月、ソフトバンク総研に入社した。三〇歳の誕生日を迎えた年のことだ。なぜソフトバンクグループで正社員にならなかったのか。のちに井上とともにヤフーを立ち上げた影山工は、井上にそれを尋ねたことがあるという。
「井上さんに理由を聞くと、『ソフトバンクに入社したとき住宅ローンを抱えていたからなんだ』と話していました。社員になると、むしろ給与ベースが下がったそうで、『会社側と給料の待遇が折り合わなかったので、俺はずっと契約社員採用なんだよ』と言っていました。それで、社内では井上さんのことを〝バイト君〟と呼んでいました」
 井上はソードをやめてソフトバンクに入社するまでのあいだ、五〇〇〇万円の住宅ローンを組んで世田谷区内に家を建てた。折しも、それはアムウェイのマルチビジネスに凝っていた時期とも重なる。
言葉を選ばずにいえば、井上は庶人の金銭感覚をそなえている。団地育ちが自らの原点だと自認してきた当人には、広い持ち家に対する強い憧憬があったのかもしれない。のちにヤフーを成功に導いた井上は、都心に高級マンションをいくつも所有し、温泉地に豪勢な別荘を建てる。(以下略)

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金融庁「報告書」は官邸への一矢!?

 自爆テロという人もいますが、金融庁にそこまでの覚悟はない気がします。今度の金融庁報告書、100年安心年金なんて誰も信じていない、あたり前の話を、なぜ今頃になって持ち出したのか、そこがポイントのような気がします。
 一つにはアベノミクスの誤魔化しがいよいよ限界に近付いていること。もともと成長戦略などどこにもないので、消費税をあげれば景気が落ち込むのは間違いないでしょうが、社会保障費のことを考えれば、消費税は10%どころか20%でも足りないでしょう。
 しかし、それより政権の維持、あわよくば自民党総裁4選の道筋をつけたい安倍さんはじめ官邸の人たちは、そんなことは考えません。で、初めは消費増税を見送り、衆参のダブル選挙にするしかない、というシナリオを描いたのでしょう。
 ところが、ここへ来て、官邸は参院選単独でも与党はさほど負けないと踏んだみたい。そのせいでダブル選の見送り説が濃厚になっているといいます。
 とどのつまり官邸には、本来、もっとも大事な社会保障問題などは、頭の中にないのでしょう。そこに一矢を報いようとしたのが、今度の金融庁レポート……。てな話なら、捨てたもんじゃないと思いますが。

文藝春秋「認知症は怖くない」

 本日は新聞休刊日なので広告が出ていませんが、文藝春秋7月号の認知症特集に寄稿しました。

元来PETは、成長前の小さな癌細胞を発見する最先端検査として脚光を浴びてきた。Positron Emission Tomographyの略で「陽電子放射断層撮影」と訳される。特殊な検査医薬を体内に投与し、最新鋭の撮影装置で微細な癌細胞を映し出す。
これを認知症に応用したのが、アミロイドPETである。脳に沈着したアルツハイマー病患者特有の「アミロイドβ蛋白(老人斑)」を画像化する検査薬の開発に成功したことにより、従来の脳ドックで不可能だった極めて早期の異常を見つけ出す。早期発見というより、近い将来覚悟しなければならない認知症の予兆を把握する検査として、専門医のあいだで注目されている。
そんな最先端検査が、日本でも始まっている。昨年一一月に開業した「アルツクリニック東京」がその一つで、今年二月、診療所とは別に新たなアルツクリニックPETラボ(検査室)を開業した。そのアミロイドPETを実体験してみた。
九時半のアポイントの時間通り、新宿区四谷の外苑通りに面したラボに向かった。インターフォンを鳴らすと、事務員がドアを開けてくれた。
「ラボは開院したばかりなので、検査は森さんで五人目です」(以下略)

 最新のアミロイドPET検査を受診。ヒヤヒヤしました。

重版出来!『官邸官僚』

 5月31日の発売以来、売り上げ好調だそうで、おかげ様で拙著『官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪』重版が決まりました。皆さま、ありがとうございます!!

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 新聞報道ではダブル選の見送りを報じています。見送っても与党がさほど負けない、という自信があるそうです。一強政権を支えているのは、マスコミも同じかも。

なりものヤフー・井上雅博伝⑪「ソフトバンク入社前夜」

 本日6月7日発売号の週刊現代連載「なりもの」は、井上雅博元社長がソフトバンク入りする少し前の話から始まります。

「浅川、お前もやってみないか」
 井上雅博は後輩の浅川倫之と久方ぶりに会うと、そんな話を切り出した。二人は東芝の傘下に入ったソードを退社し、浅川は郷里の北海道に戻り、井上はソフトバンク総研への転職が決まる。そ頃の前のことである。
 結婚して間もない井上は、わざわざ浅川を北海道から呼び出した。祖師谷団地の二〇四号室で新妻の弘美といっしょに出迎え、三人で談笑していると、井上が小さなカバンを浅川の前に置きながら、おもむろに言った。
「アムウェイって知ってるだろ? そこの商品がこの中に入っているんだけど……」
 社名は聞き覚えがあるだろう。アムウェイは家庭日用品の連鎖販売取引で知られる。一九五九年、米ミシガン州エイダで創業された。創立者のジェイ・ヴァンアンデルとリッチ・デヴォスが、アメリカン・ウェイ(American Way)を略してアムウェイ(Amway)と名付けたと伝えられる。(以下略)

 こんなこともありました。

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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)など。最新刊は「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)

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