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2018-12

フライデーデジタル「地面師」の4事件

 本日、フライデーデジタルに「地面師」の記事をアップしました。

「私の田舎は茨城県なのですが、ちょっとした桜の名所がありましてね。やっぱりこの時期になると、見たくなるんですよ」
 2017年4月初旬、不動産会社の営業マンが貸会議室で打ち合わせしたあと、たまたま乗り合わせたエレベーターの中で彼女にそう話しかけた。ごく自然な取引相手との世間話のつもりだった。そこで、彼女がポロリとつぼやいた。
「私も田舎に帰って桜の花を見たいわ」
 営業マンは首を捻った。
「おかしいな、生まれも育ちも五反田の旅館のはずなのに」
会社でその会話を上司に報告すると、上司は怪しんだ。本人確認のために近所の聞き込みを命じられたという。それで、この不動産業者は命拾いをした。代わりに積水ハウスが詐欺師たちの罠に嵌められてしまったのである。
 詐欺の舞台となった廃業旅館の「海喜館」は、JR山手線五反田駅から歩いて五分もかからない、目黒川を渡ってすぐのところにある。その元女将で持ち主の海老澤佐妃子になりすましたのが、羽毛田正美(事件当時72)である。ついうっかり「田舎に帰りたい」と漏らしたニセの元女将は、1955年3月生まれの六三歳だが、年齢より老けて見える。(以下略)

 単行本でとりあげた7つの事件についてのサマリーも掲載しています。
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朝日新聞jounalism「森加計の2年」

 12月10日発売の朝日新聞出版「jounalism」に森加計問題の記事を寄稿しました。

 私にとってこの2年、森友加計問題を取材してきたなかで、恐ろしくもあり、最も印象に残った出来事の一つといえるかもしれない。それが、朝日新聞のスクープした財務省の決裁文書改ざんを巡る動きである。
〈森友文書、財務省が書き換えか 「特例」など文言消える〉
 そう題し、朝日が今年3月2日の朝刊一面で報じた。国会が騒然とし、この9月5日に発表された2018年度編集部門の新聞協会賞をとった記事なので記憶にも新しい。記事そのものは見事というほかないが、恐ろしいのは仮にこれがなかったらどうなっていたか、という問題である。
「大阪地検の予定では、3月の年度末をもって森友学園事件の捜査を不起訴処分にして終わらせるつもりでした。そのスケジュールが、朝日新聞の報道で狂ったのです」
 報道を受けて春先、大阪で取材すると、地元記者や地検の関係者からそんな声が漏れ聞こえてきた。くだんの捜査は、国有地の値引きに関する財務省の背任や証拠隠滅容疑などに対する市民団体からの告発から始まっている。昨年3月、豊中市議らの告発を受けた大阪地検特捜部が捜査に着手した。
 皮肉にも、厚労省の村木厚子に関する証拠改ざん問題以降、すっかり威信が地に落ちた大阪地検にとって、ときの首相夫妻の関与が取り沙汰された森友学件捜査は、本来なら汚名返上のチャンスでもあった。(以下略)

 問題は何も解決していません。

世界レベルの対戦「トップリーグ」もお忘れなく

 昨日、トップリーグ決勝トーナメントの準決勝が花園と秩父宮でおこなわれました。花園のレッド・カンファレンス1位の神戸製鋼対3位のトヨタ自動車との対戦。やはりSOダン・カーターのいる神戸が試合を優位に運んでいて、さらにここぞという場面でも、その判断が光りました。試合は31対19で神戸が勝ちましたが、ほんのわずかの差でした。
 一方、秩父宮のホワイトカンファレンス1位のヤマハとレッドカンファレンス2位のサントリー戦は、なんと25対25の同点で延長戦に突入。最後はマッドギタウのPGでサントリーが競り勝ちました。 15日の決勝に臨む意気込みを記者から尋ねられたサントリーの沢木監督いわく「神戸サンにはダンカーターがいrますが、うちにはマッドギタウがいますから」。
 まさに世界レベルのプレーヤーのおかげで、トップリーグ全体のレベルも格段にあがっています。神戸製鋼が勝てば2000年度以来18年ぶり、サントリーなら3季連続の優勝となります。トップリーグの決勝トーナメントは日本選手権を兼ねていますので勝てば日本一。面白い展開になりました。

いまなぜ「地面師」なのか

 本日、文藝春秋の「文春オンライン」に地面師の記事がアップされました。一部抜粋しました。

 取材の端緒は、奇しくも旧知のマンションデベロッパーが15年夏に詐欺被害に遭い、相談されたからだった。その詳細は先に刊行した「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」に譲るが、調べていくと、この手の事件の多さに驚いた。これより少し前にホテルチェーン「アパグループ」が12億6000万円も騙し取られている。アパ事件の起きたのは、今から5年以上も前の13年8月である。
だが、知人のマンションデベロッパーの件では、騙した相手を万世橋警察署に刑事告訴していたが、いっこうに埒が明かなかった。またアパも同じように警視庁に被害相談していたものの、知能犯を担当する捜査二課の動きは鈍かった。どちちらもひょっとすると、事件は迷宮入りするのではないか、という不安も頭をよぎったものだ。
地面師は東京だけでなく、関西にもグループがいくつかある。以前は「新宿グループ」や「池袋グループ」、「総武線グループ」といった塩梅に縄張りを主張し、行動範囲が狭かったが、最近の地面師はどこにでも出没する。東京と関西のグループが連携しているケースも見かけた。
 地面師事件は日常茶飯に起きている。(以下略)

 おかげ様で拙著「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)も、発売日の昨日、重版が決まりました。

日産事件「日本の人質司法」批判は的外れ?

 日産自動車のカルロス・ゴーン前会長が再逮捕され、トータル40日の起訴前勾留期間になりそうです。これについて、「日本の人質司法は恥ずかしい」という批判を唱える人が多い気がしますが、本当にそうでしょうか。たとえばフランスはガルダビュと呼ばれる「警察勾留」が日本の半分の24時間だが、予審判事の捜査中の裁判前勾留は1年、最大で4年以上も勾留したケースまであるそうです。ちなみに米国の起訴前勾留は最大60日で、日本と似たようなものでしょう。
 問題は勾留の長さではなく、捜査が適正におこなわれているかどうか。それは言うまでもありませんが、日本の場合は検察不祥事以来、どうも根拠のない批判の声が大きすぎるように感じます。
 逆に起訴後の保釈中に事件を起こすケースもけっこうあります。典型例が地面師事件、内田マイクは浜田山の駐車場事件の裁判中、保釈され、娑婆に舞い戻って積水ハウス事件を引き起こしています。

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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が第2回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞を受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)など。最新刊は「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)。

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