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2019-12

政府の都合で変わる「反社」「首相夫人」の定義

 第一次安倍政権当時の2007年に策定した「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」により、「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団・個人」と明記した反社の定義が、桜を見る会問題では、閣議で定義づけできないといっています。ならモリカケ問題で「私人」だと閣議決定したアッキー夫人の定義は、公の行事に関する推薦があったのだから、「公人」と書き換えたほうがいいのではないでしょうか。
 あまりのご都合主義という以外に言葉が見当たりませんが、NHKでは新会長に四季の会のメンバーを送り込んでいますので、それもまた気になるところ。もう一つ、先の国会会期末に首相は自らの手で憲法改正、と言い出しました。岸田さんにやらせるという既定路線の変更は4選を意味するのでしょうか。それとも目くらましなのでしょうか。
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急展開「NHK新会長」人事の裏舞台

 来年1月に任期を迎えるNHKの会長人事が発表されました。みずほフィナンシャルグループの前田元社長(74)が新たなNHK会長に就任するといいます。ついこのあいだまで上田会長(70)の続投といわれていただけに、ちょっとした衝撃が走っています。
 NHKの会長人事を巡っては、官邸のお気に入りである板野専務理事の抜擢に対し、そうはさせまいと頑張るNHK内部の綱引きがあったと仄聞します。折衷案の結果、上田会長の続投が決まりかけていた。にもかかわらず、今度の急展開。その理由について、日本郵政のかんぽ問題対応を指摘する報道が多いようです。が、どうもそれだけではない気がします。
 ポイントは高市早苗総務大臣。NHKのネット配信費用に注文を付け、ふるさと納税の見直しも検討してきました。けっこう頑張っているかもしれません。

「桜を見る会」政府の言い訳が変遷する理由

 桜を見る会を巡り、出席者名簿のバックアップデータが最大8週間も保存されていたことが明るみに出て、官房長官をはじめ政府が醜態をさらしています。この間、野党からの名簿提出要請もあり、なぜ公開できなかったのか、と問われると、バックアップデータは行政文書ではないから、と……。なら何のためのバックアップなのか、ここまで来るともはやジョークにもなりませんが、気になることがもう一つあります。
 いずれにせよ役人がバックアップデータの存在を認めたのはたしかでしょう。内閣府はなぜ今になってバックアップデータの存在を認めたのでしょうか。これまで、首相官邸の出入記録さえ存在しないと言い張ってきた政権だけに、そこがやや疑問です。よく解釈すれば、それは公僕としての矜持が残っているからかもしれません。実際、政権にものを言いはじめた官僚もいます。あまりの強引な政権の言い逃れに、さすがに辛抱たまらん、と。

なりものヤフー・井上雅博伝㉘「助手席の女性」

 本日発売の週刊現代で連載中の「なりものヤフー・井上雅博伝」はカリフォルニアのクラッシックカーイベントに連れていっていた女性の話を書きました。

「彼は人前に出ることをすごく嫌がっていて、日本のレースには参加しませんでした。そこで僕は、『それなら、いっそのこと日本のゴルフ場を買っちゃえよ』と提案しました。ゴルフ場をつくり変えてレースをやろう、という計画まで立てていました」
クラッシックカーにおける井上雅博の指南役、秋本康彦はそんな話までした。世界の名車を買い漁った井上は、それに乗りたくてうずうずしていた。が、ヤフー・ジャパンの元社長が国内でレースに出場すると、どうしても話題になる。そこで自前のレース場をつくってしまおうと考えたそうだ。
東日本大震災に見舞われた二〇一〇年初め、東北を中心に国内のゴルフ場が経営に行き詰まり、次々と売りに出された。値崩れしたゴルフ場を手に入れてはどうか。そう提案したのが秋本である。
「彼は自動車部だから運転に自信があるわけです。で、とくにタイヤをスライドさせながら走るドリフト走行をやりたがっていました。ダートではやったことがあるらしいけど、コンクリートの路面でそれをやりたい、と」
 プライベートのレース場という現実離れした話をする割に、秋本の口調は穏やかだ。
「日本でも自前のレース場を持っている人が一人います。そうすれば日本国内でもナンバープレートを付けずに走れる。海外では個人でクラッシックカーのレース場を持っている人がけっこういます。たとえばカリフォルニアのワイナリーの中にレース場があって楽しんだり。まあ、車の世界にはそんな桁違いの人がいるのです」
 プライベートのレース場建設は実現しなかったが、その代わり井上は世界の富豪が集う名車の祭典に情熱を傾けるようになる。
(以下略)

案の定の追加予算「ポイント還元」の税金の垂れ流し

 消費増税に伴う2~5%のキャッシュレス決済ポイント還元で、政府が大幅な追加補正を組むそうです。考案した経済産業省によると、10月1日~11月4日の1日平均還元額が12億円あまり。これらは補助金で賄われるため、早くも予算が足りなくなってしまったわけです。
 もともと財務省が見込んでいた予算は2800億円、それに1500億円を積み増しして4300億円、さらに来年4月から6月までに2500億円から3000億円が必要になりそうだといい、しめて7000億円前後もかかるといいます。言うまでもなくこれらは補助金という名の血税で賄われています。
 なぜこんなに増えてしまったのか、見込み違いというほかありませんが、それもこれも店に補助金を出してポイント還元しているから。当初想定していた還元のための登録50万店が12月1日時点で86万店と急増、慌てて補正予算を組んでいるわけです。おまけに来年6月までの期間中、政府はこの先130万店まで増えるとしています。前に本欄で書いた通り、ポイント還元店舗として登録申請すればいくらでも補助金が出る仕組みですから、業者間で商品を売買し、補助金でぼろ儲けするパターンもありうる。税金を垂れ流す前に、まずそこを調べてほしいものです。

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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)など。最新刊は「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)

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