2018-02

いよいよ始まる?日本版カジノ「大阪」ともう一つは

 すでに基本法が成立しているIRカジノ実施法案が、いよいよ国会に提出されます。新聞などは、ギャンブル依存症対策や公明党の反対などを審議の焦点にしていますが、すでに政権は前のめりになっていますので、公明党の反対はあまり意味ないかも。
 で、有力候補地でいえば、以前は「横浜」「大阪」。しかし状況は少し変わってきており、横浜より東京のほうが有力視されているみたいです。というのは、横浜で予定されていた山下ふ頭はカジノを呼び込まなくてもインバウンドで十分、と地元有力者が反対しはじめているからだとか。カジノ業者としては、最適地は東京とみており、小池さんと連携してこちらに乗りかえるのではないか、とも。政権サイドはむしろ大阪を推す格好かも。
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もともと仕組みが問題「国家戦略特区」

 加計学園問題のせいで「岩盤規制をぶち破る‘ドリル’」を標榜して設置された国家戦略特区諮問会議の機能が止まっているかのように新聞で報じられています。行政文書の扱いが悪かったから、まずはそこを修正するため現在の議題が進まなくなっている、と嘆いているわけです。
 しかし、根本的な問題はそこではない、という政府関係者と会いました。その方は、つまるところ諮問会議そのものの在り方の問題だ、という意見で、意気投合しました。
 第三者の有識者が意見を戦わせ、公平公正に判断するというのはあくまで建前で、国家戦略特区諮問会議も事実上、議事を官僚が進めて決めていく他の官庁の審議会と同じ。議事はほとんど形式的なもので、会議の議事録もそれに合わせて作成されてしまうので、仮にすべてを公開しても隠したいことは隠せます。しかし、国家戦略特区諮問会議には他にない問題があります。
 それは、議長が首相自身だということ。国家戦略特区諮問会議が他の審議会と異なる点で、首相の責任と判断で決まる仕組みになっているわけですから、いくら「私は知らなかった」といっても通用しません。誰でもわかりそうなそんな単純な話なのに、首相本人が指示したかどうか、なんて議論になっています。
 昨日、首相は四谷で漫才師やアイドルタレント、社会学者たちと焼き肉パーティを開いて楽しんだようです。こういうのを似たもの夫婦といえばいいのでしょうか、天真爛漫で妙に軽い夫人とダブってしまいます。

加計学園「獣医学部設置認可」森友との違い

 加計学園の獣医学部設置が林芳正文科大臣により正式に認可されました。目下、衆参両院の文部科学委員会でその件を審議中で、報道を見る限り、焦点は例の4条件をクリアーしているかどうか、国家戦略特区における官邸の関与はあったか、ということになりそうです。
 で、すでに小学校の開校を断念している森友学園と加計学園の違いはどこか、考えてみました。まず森友は、私学審議会で「認可適当」の答申を得て準備を進めてきたが、最後の大阪府知事の認可が得られないとなり、設置申請を取り合下げました。加計の場合は大学設置・学校法人審議会の「認可答申」を経て、文科相が認可を決定。流れは似ています。が、最後のところでストップをかけられなかった。その理由の一つとしては、籠池理事長夫妻の詐欺事件により、大阪府が認可をストップできる状況にあったこともあるでしょう。ただし、なら、仮に刑事事件がなければ、認可されたかといえばそうでもないでしょう。
 つまるところ加計にもさまざまな疑惑があるけど、それを封じ込めてきたから認可という話。国家戦略特区諮問員会という首相肝いりのお墨付きがあれば、審議会は無力であり、文科省や文科大臣も右へ倣え、という結果なのだと思います。

加計学園獣医学部「設置認可」の影響

 予想できたことではありますが、2日、文科省の大学設置・学校法人審議会の専門委員が、加計学園の獣医学部新設認可の答申を決定した模様です。読売新聞などによれば、首相周辺はこれで「プロセスに一点の曇りもないことが証明された」などと鼻の穴を膨らませているようですけど、世間の信用は回復できるでしょうか。
 その読売の内閣支持率は52%で不支持率は40%、日経にいたっては54%の支持率という数字を発表しています。一見、高そうに見えますが、衆院選の圧勝、第4次内閣発足という再スタート時にしては低調。やはり加計問題の影を引きずっていると言わざるを得ません。
 言うまでもなく焦点の一つはこれから野党の国会追及、つまるところ安倍さんは説明できず、加計さんや昭恵夫人の国会招致も実現しない可能性が高いので、国民の不信は募るばかりでしょう。その熱が冷めず、どこまで盛り上がるか、というのがもう一つのポイント。そして新たな疑惑や事実が浮かび上がるかどうか。
 意図的かどうかはさておき、政府としては、トランプ来日のドサクサに紛れた認可方針というタイミングではありますが、思惑通りにいきますかねぇ。

首相そっくり国家戦略特区民間議員の言い分

 昨日、国家戦略特区での獣医学部新設の決定に関わった諮問会議の民間議員たちが、前川喜平前文科省事務次官に反論する形で記者会見を開きました。メンバーは大阪大学の八田達夫名誉教授や竹中平蔵東洋大学教授をはじめ、特区に指定されている福岡市など6つの地方自治体の首長たちなので、さもありなんといえば、それまでですが。
 前川さんの「行政がゆがめられた」発言に対し、竹中さんなどは「ゆがめたのは文科省、われわれはそれをただした」「今回の決定プロセスに1点の曇りもない」とも言っていました。が、見ていると、安倍さんそっくり。というより彼らからの受け売りを、常日頃、安倍さんが使っているので当たり前かもしれませんが、何も根拠を示さず、「いっさいかかわっていない」「ご指摘はあたらない」といっているだけ。前川さんと比べどちらが説得力があるか、自明なのでは。

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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクションライター。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」受賞。主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)など。最新刊は「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)

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