2018-02

森友問題「面会記録」「価格交渉」の有無という詭弁

 すっかり五輪ニュースでかき消されてしまった感のある森友学園の土地取引。でも、与野党の答弁を見ると、やっぱり一言いいたくなります。新たに発覚した財務省文書、ごく簡単に言えば、財務省の中でも法務部門とのやり取りの中で出てきた話で「大阪府の学校設置認可審査の前に森友側に事前に概算価格を伝え、折り合わなかった」との趣旨。これをもって面会記録ではない、と麻生財務大臣は言い張るのですが、つまり面談せずに概算価格を伝えたという話になるのでしょうか。
 電話か何かで? やりとりしたのでしょうか。厳密にいえば、それは面会記録ではないかもしれません。では面会していないのか、といえば、音声データがあるのだから、そこは動かしがたい。
 麻生答弁は、面会記録の文書を破棄したという佐川前理財局長の言い分と整合性をもたせるためかもしれません。が、仮にそうだとしても、価格交渉をしていた事実は動かいでしょう。どこまでいっても詭弁としかいいようがありませんが、政権側は突っぱねる以外にない。
 もとよりそんなことは双方、百も承知でしょう。まさに茶番、ただし、野党というよりわれわれ国民を馬鹿にしたような答弁ですから、モリカケ問題、まだまだ続きそうです。
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森友「土地値引き」資料公開の深層

 前回に続いてなぜ今になって財務省が森友資料を公開するのか、そこを考えてみました。一つは、今度の資料が財務省内における法務部門との問答になっていることから、隠しきれないとの判断かもしれません。すでに昨年2月の段階で、土地暫定価格資料の存在が国会で出ていましたので。
 希望的観測を持って推測すれば、安倍政権への気遣いをしてきた法務・検察も、一枚岩ではなく、地検特捜部の現場捜査派を抑えきれなかったということかも。
 そして資料の公表が昨日9日という絶妙のタイミング。冬季五輪の開幕式に安倍首相が出席すると決めたのも、そういう理由からではないかと感じてしまいます。ここから風穴があき、加計学園の2015年4月の官邸訪問時の中身が出て来ないものでしょうか。

トランプ「TPP復帰発言」の深層

 昨晩、ダボス会議に参加したある企業幹部と会い、いろいろ話を聞きました。たとえばトランプの「TPPに復帰してもいい、」言。日本政府はこれをもって、「TPP11やEPA交渉の成果だ、トランプは焦っていて日本はこの先優位に交渉に立てる」と喧伝していますけど、まったく見当違いなのだそうでです。
 トランプのダボス会議のスピーチは予定されていた45分から大幅に短縮されて20分。予定稿を読み上げただけのもので、その中で一言TPPの話があったらしい。その真意は、あくまで2国間交渉が前提、もしもTPPで米国に優位な条件を提示すれば、という程度の話で、日本以外にこの発言を重く見ている国はないのだそうです。
 つまるところトランプは日本のことはどうにでもなるという前提でリッピサービスをしただけだとか。それより対中赤字の削減をどうするか、それがトランプのテーマで、頭を悩ませているとのことです。
 米国は穀物輸出による安全保障政策を重視し、すでに中国と駆け引きを始めているといいます。日本はこのところ一帯一路で中国に歩み寄っていますが、トランプがそれをどう見ているか、むしろそこが心配なのだそうです。

財務省はなぜ今になって文書を認めたのか

 本日発売の週刊現代「ジャーナリストの目」に、論戦中の国会で余裕を見せる政府・霞が関の声を紹介しました。たとえば、森友問題についてはこんな感じ。

「あれは財務省から国交省に『2週間で値引きの算定をしろ』と迫られ、従ったまで。近畿財務局ではなく財務省の本省マターで、国交省の大阪航空局という出先機関に命じたのだから、従わざるをえないのはあたり前。今さらそれを問題にされてもねぇ」(官僚A)
 値引き算定は、財務省によるやらされ仕事だから罪はないというのが、国交省側の言い分のようだ。(一部抜粋)

 国会は全体的に低調な感が否めませんが、ここへ来て、財務省が土地値引き交渉の文書の存在を明かしました。隠しきれなかった防衛省・自衛隊の文書と同じなのか、ひょっとすると反政権の動きがあるのか、などと推測しますが、その理由がいま一つわかりません。いずれにせよ悪いことではありませんので、たとえば加計学園による2015年の官邸訪問のときの文書も出してほしいものです。

中身のない加計学園キャンパス建設費「適切」判断

  予想通りといえばそれまでですが、愛媛県今治市が加計学園の獣医学部キャンパス建設について審議するために設置した「第三者委員会」が建設費用を含めた192億円の計画について「適切」だという結論を導き出しました。委員会の座長は地元の妹尾克敏・松山大教授。相場の倍以上の建設費と言われた工事費用についても、例によって具体的な根拠を示さず、「発注仕様書などを調べ、適正と判断した」などというだけ。この第三者委員会は、もともと推進している今治市の要請によって設置されたもので、形式を整えたというだけのアリバイ作りなのは誰もが感じるところでしょう。市長たちはお墨付きを得た気分になるのでしょうが、委員会が設計図をどのように判断したのか、議論の中身がさっぱりわからない。茶番というほかありません。
 22日から始まる通常国会に期待したいところですが、森友加計問題はこの1年というもの、明確な説明がまるでないまま、疑惑の解明がまったく進んでいないということを忘れないように。

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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクションライター。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」受賞。主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)など。最新刊は「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)

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