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2019-08

特定技能「登録支援機関」という口利き利権

 政府の移民政策がどんどん進んでいます。なかでも注目されるのが、とかく評判の悪かった外国人の技能実習制度に代わる「特定技能者」の活用。考え方は似たようなもので、特定技能ビザをこの先、ばんばん発行して単純労働者の不足を補おうとしています。
 その特定技能者の斡旋をおこなうのが、登録支援機関なる口入業者で、法務省に申請さえすれば認められるそうです。いわば移民政策に乗じた口利き利権。案の定、首相のお友だちであるパソナが名乗りを上げています。
 インバウンドに移民政策、経済成長をするためには必要だという声も聞きますが、そもそも日本がこれ以上成長する必要があるのでしょうか。それより格差をこれ以上広げないでもらいたいものです。
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「トンデモ野党とメディアの非常識」の筆者

 参院選のときに自民党議員に配られた小冊子「フェイク情報が蝕むニッポン トンデモ野党とメディアの非常識」について、昨日、ある新聞社の記者と話をしました。記者氏曰く、「小冊子の筆者ではないか、と噂になっている政治評論家に質したところ、その件は勘弁してください」と答えるのみだそうで、どうにも怪しいらしい。
 小冊子は野党の体たらくをあげつらい、選挙期間中にここまでやるか、とわれた怪文書の類。安倍首相は例によって「見こんなものたことない」とシラを切っているそうです。
 ただ、くだんの政治評論家は文科省の前川喜平元事務次官の「出会い系バー通い」をテレビ局に持ち込んでいたこともあるとか。権力べったりのジャーナリストや評論家は常に存在します。しかし、テレビメディアはともかく、昨今は、雑誌ジャーナリズムまでこの手の人に頼って記事をつくっている。それを見ると、どうにもやるせなくなります。

景気後退なのに安倍首相はなぜ消費税を上げるのか?

 世界中の長短金利逆転現象が起き、いよいよ不況の到来が濃厚になってきています。そんな折、安倍政権は消費税10%に踏み切るといいます。むろん財政や社会保障を考えると消費増税はやむなしなのですが、景気のよかった時期にさんざん延期しておいて、なぜ今になって増税するのか、疑問に思うのは私だけではないでしょう。
 考えられる理由は経団連をはじめとした産業界の要請。表向き10%消費税は国際公約なのだから、延期すれば信用を失うというのが理由ですが、実際はこれまで延期しても大して影響はありませんでした。
 産業界にとっても消費増税は景気を冷やすため歓迎しないように考えられがちです。 しかし、そうではないようです。
 社会保障のための増税やむなしという空気が高まるなか、大企業はこれまで恩恵に与ってきた法人税減税の批判を恐れているのではないでしょうか。共産党などはずっと大企業の内部留保のことを言い続けていますが、過去の消費税分が企業の減税にあてられているのはたしかで、税収が行って来いになっている挙句に、企業が豊かになって国民が貧乏になっている。それに気付いた国民の声が上がる前に消費増税をしてしまえ……。てな思惑で政経一致しているのかな。

 

ときの人「れいわ新選組」山本太郎が狙う選挙区

「地盤のある東京、なかでも安倍首相側近の下村博文元文科大臣の11区か、萩生田光一幹事長代行の24区から出馬すると面白い」「いや、それならいっそのこと本丸の山口4区がいい」といった塩梅。すっかりときの人となった「れいわ新選組」の山本太郎代表、来る衆院選でどの小選挙区から出馬するつもりなのか、と注目を集めています。
 で、昨日聞いた政界通の話によると、「どうやら沖縄から出るみたい。山本太郎の支援者が推している」とも言っていました。沖縄なら、さもありなんですが、なんでも危機感を感じている自民党筋は、ここへ来て山本太郎さんの金主について調査を始めているとか。前々からいわれていた革新系のIT業者がその対象みたいです。
 山本さんの消費税廃止論は、いま流行りのMMTの受け売りともいわれ、もう少し地に足をつけたほうがいいような気もしますが、新たなムーブメントはけっこうな話。与党も薄っぺらいので、いい勝負かも。

参院選「辛勝」の安倍政権の鬼門

 4選挙区で競り負けた自民党岸田派に象徴されるように、今回の参院選における安倍政権はかなり苦しかった気がします。これで岸田さんのポスト安倍が遠のき、菅さんの求心力が増したと見る向きもありますが、菅さんにしても応援に駆け付けた先々の選挙区で苦杯をなめているわけですから、それほどのものでもないでしょう。
 日本の景気は、来る秋の消費増税や米中の景気失速により間違いなくダダ下がりでしょうから、今年の下半期、批判の矛先が政権に向かう可能性が高い。令和天皇の即位儀式でマイナスを埋められるとも思えません。そう考えると、囁かれている11月の衆院解散総選挙も難しくなるでしょう。来年に入ると、オリンピック景気が終息するので、解散するなら1月通常国会での冒頭しかないけど、それも秋以降の景気次第。
 それでも、いざ選挙になると、浮動票の行く先がないので、今回同様、与党は大敗しない。そこを計算に入れた解散、なんてグダグダの政局があるかもしれませんが。

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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)など。最新刊は「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)

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