2018-07

外国人献金もOK「政治資金パーティ」の抜け穴

 今日の朝日新聞が自民党古屋圭司代議士の政治資金パーティによる裏献金疑惑を報じています。パソコンではなくノートにパー券の販売実績を書きとどめいたといい、その金額が収支報告書にある記載額の2倍近くになっているとか。古屋事務所では疑惑を否定しながら、「ノートは今も誰でも見られるところに置いてある。そんなものに安易に入金チェックはしない」などと妙な弁明をしています。
 パー券を使った政治献金には法的な抜け道が多いのは、広く知られています。たとえば一人あたり20万円以下なら献金者を記載しなくていい。どうせパーティなどに参加しないのだから、献金する企業などは、社員などから名義を借りて分散させて誤魔化すわけです。
 また、法の抜け穴では、パー券購入なら外国人献金もOKという点もあります。週刊文春も報じているカジノ業者や過去たびたび取り沙汰された朝鮮総連系のパチンコ業者などによる献金などはまさにこれにあたるわけです。だが、その実、カジノ推進派の議員に対する賄賂性の高い献金でも法に問われないという問題あり。実際に捜査機関が反面捜査を綿密にし、名義貸しだと判明すれば違法性を問えるはずでしょうが、過去の政治献金の例を見てわかる通り、とどのつまり捜査当局にやる気が感じられません。本当はそのほうが問題かも。
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なんでも反対野党のどこが悪いのか

「付帯決議まで外されるかもしれないから、採決を受け入れた」。国民民主党がそう政府与党に歩み寄り、昨28日、働き方改革関連法案が参院厚生労働委員会で可決されました。安倍政権が目指す働き方改革は、経団連が熱望する裁量労働制の拡大や高度プロフェッショナル制度の導入が主眼で、スッタモンダの末、今回はその片目があいた格好です。
 裁量労働制にしろ、高プロ制にしろ、とどのつまり残業代ゼロ制度にほかなりません。一方、現実には、すでに残業時間に関係なく働いている企業の幹部たちは大勢いて、そのほとんどは自由意志で働いています。つまりこの制度の本質は、企業経営者がこれまで残業代を支払ってきた人たちに払わなくて済むようにしたいというだけの話。そこに反対するのは当然でしょう。
 で、今回、安倍政権は47の付帯決議という足かせをはめるので、なんとか了解してほしい、といい、国民民主は強硬に反対すればそれがなくなるので、折り合ったと。しかし、付帯決議はしょせん法律の附則であり、将来的になし崩しになり外されるのが前提ではないでしょうか。それなら、いっそのこと、強硬に反対して法律のおかしさを浮きぼりにしたほうがいいのでは。
 問題があれば反対する、というシンプルではない、いやらしい政治的な思惑ばかりが先に立つ。だから国民民主の支持率はいつまでたってもゼロなのでしょう。
 

加計学園理事長の上京出張記録は存在する

 昨日、加計学園の加計孝太郎理事長がとつぜん記者会見を開き、騒然としました。記者会見そのものについては、他でコメントしていますので控えますが、会見の中で15年2月25日の首相との面談について「3年前のことなので記憶も記録もない」と否定されていた件について、ひと言。
 それより1年前の14年3月13日、加計学理事長をはじめ、関係者が日本獣医師会を訪問したときの記録によれば、当日は「16時13分に新幹線で(岡山から)東京駅に到着し……」としていました。例によって、4年前の記録があって3年前のものがない?、とでも言い訳するかもしれませんが、やはり嘘を重ねているという印象はぬぐえません。

安倍政権にとって「諸刃の剣」国会会期延長

 今月20日の予定だった今通常国会の会期が延長される見込みだと読売新聞などが報じています。審議時間が短く、石井国交大臣の不信任案まで提出されたカジノ実施法案を成立させるためだというのが、大方の見方で、「政府・与党内で7月上旬まで会期を延長する案に加え、同月中下旬まで延ばす大幅延長論が浮上している」(読売)といいます。
 昨年、加計学園問題の幕を引こうと慌てて国会を閉じ、集中審議で済ませたのと比べると、今年は政権側にそれだけ余裕があるということでしょうか。ひょっとすると、官邸側が単に新聞に書かせて観測気球をあげているだけなのかもしれませんが、この状況で、さほど支持率が下がっていないという不思議な事態に加え、日朝首脳会談の話題で、森友・加計問題を封じ込められるという判断なのかもしれませんし、
 半面、ここへ来て、小泉進次郎さんや石破茂さんの動きが出てきたし、会期延長は野党にとって絶好のチャンス。ぜひ大幅に延長してほしいものです。

森加計「新文書」の焦点は官邸の改ざん関与

 萩生田自民党幹事長代理が言っていたように、安倍政権は「同じ質問や答弁の繰り返しで新しい事実はない」という国会戦略で、国民を飽きさせようとしているように思えます。
 が、とんでもない。むしろ新事実はどんどん出てきているのではないでしょうか。その一つが、共産党が持ち出した森友問題における昨年9月7日の国交省航空局長と財務省理財局長の「すり合わせ文書」。あるコメンテーターは文書に会計検査院が出てくるので、「会計検査院の独立性が問われる可能性もある」とおかしな発言をしていましたが、これは会計検査院対策のための謀議という話だから、そうではないでしょう。
 ポイントは、そこではありません。二人の局長がこの時点で財務省の決裁文書のことを話し合っていた事実。「出せるものなら出したほうがいいが、政権との兼ね合いも考えなければ」という趣旨の太田理財局長の発言は、直後の総選挙への影響を危惧したものでしょう。そこで、さらに決算文書を公表するかどうか、それを寺岡官房長官秘書官に伝える、とも書かれているようです。これは、つまり菅官房長官とこの件をすり合わせようとしたという話。
 焦点は、彼らが謀議していた文書が改ざん前のものか、それともあとのものか。すでに改ざん後の文書はこの年の6月に国会議員に提出していたので、9月のこの時点で官邸と太田理財局長が決裁文書の扱いを検討していたとなると、改ざん前の文書についての話ではないでしょうか。つまり官邸、太田理財局長ともに改ざんを知っていて隠してきた可能性が濃厚になるのではないでしょうか。
 今年3月に朝日の報道が出るまで決裁文書の改ざんを知らなかったと嘯いていた官邸の新たな嘘が明るみに出るかも――という重大案件。昨日の集中審議を踏まえ、今日のテレビを見ていたら、争点のピントがずれていたので思わず書きました。

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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が第2回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞を受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)など。最新刊は「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)。

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