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2020-01

文藝春秋digital「新・現代官僚論」⑥「今井チルドレン」

 本日アップした文藝春秋digital「新・現代官僚論」は今井尚哉首相補佐官兼政務秘書官に連なる経産官僚の面々の一人、佐伯耕三さんをクローズアップしました。

GDP600兆円にしろ、年率2%の物価上昇にしろ、これまで官邸主導で打ち出してきた政策に実現性があるのかどうか、甚だ疑わしいが、私自身、何度も書いてきたように、突き詰めれば、官邸官僚たちの目的はそこではない。彼らの命題は、できる限り長く政権を守ることにあり、そのために内閣支持率を一定以上に保っておく必要があると考えている。
わけても安倍政権の広報マンを自任している政務秘書官の今井尚哉は、内閣の政策PRに躍起になってきた。2018年春にインタビューしたとき、自信満々にこう語った。
「総理官邸では経産省から来る事務秘書官が広報担当になるので、僕はもともと第1次政権のときからそこにかかわってきました。その流れで第2次政権が発足して政務秘書官になってから、総理の重要スピーチを書いてきたわけです。それは勘所が難しいので(他の)事務秘書官が用意してくれたものは、はっきり言って大して役に立たない。15年に発表した戦後70年総理談話とか、ああいうテーマはやっぱり僕の仕事になる。全体としてこういうメッセージ、演出をしましょうという話になると、どうしても僕が出ざるを得ないのです」
文字どおり、安倍政権におけるイメージ戦略の中心が今井である。逆に政権のイメージが落ちれば、そこに対処してきた。しかし、今井一人がその任を果たしてきたわけではない。その一人が佐伯耕三である。

 続きはhttps://bungeishunju.com/でどうぞ。
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桜を見る会のポイント

 2020年は波乱の幕開けになりました。こちらも忘れてはいけません。本日発売の文藝春秋2月号に「桜を見る会」について書きました。

「観光バスを連ねて馳せ参じた大勢の地元後援者」や「ホテルオークラ前夜祭の有権者買収疑惑」、「招待者名簿という公文書の廃棄」から「年々肥大化する行事予算」、さらには「首相夫人とデリバリー業者との蜜月」や「紛れ込んだ反社会勢力との交友」……。
内閣総理大臣主催の桜を見る会にまつわる醜聞が、年を越してなおとどまるところを知らない。森友加計問題をはじめ、防衛省や厚労省の文書隠蔽でさらけ出してきた安倍晋三政権の見苦しさが、極まった感すらある。
たかが花見と侮るなかれ。シンプルなだけに問題がよりいっそう伝わりやすい。野党は攻める手を広げ過ぎて問題の焦点が定まらない、というまさにピントの外れたマスコミの指摘もあるが、むしろここまで緩んだ長期政権の成れの果てに見える。
「公職選挙法や政治資金規正法違反の疑いがあるという前に、十七台もバスを仕立てて税金で政治活動をする。普通の感覚で見て、汚職です。総理大臣という職を汚している」
 ある政府の高級官僚に感想を求めると、そう切って捨てた。焦点の一つが膨れ上がった招待者の数である。
所管官庁である内閣官房と内閣府が作成した二〇一九年一月二十五日付の〈「桜を見る会」開催要領〉によれば、四月十三日開催の〈招待範囲〉は、皇族や元皇族、各国大使、国務大臣、各省庁の事務次官および局長等の一部、都道府県知事および議会の議長等の一部、その他各界の代表者等となっている。人数は〈計1万人〉だ。しかし集まったのは一万八千人を超える。会に関係する別のある官僚は、こう指摘した。
「一万人はほぼ毎年人数が決まっています。各省庁から定年を前にした部長級以上の幹部職職員を数人ずつ選び、皇族枠や大使枠も同じように、招待人数に変化がありません。したがって問題はそれ以外の八千人。そこが総理推薦など従来にない別枠です」(以下略)

 20日開幕の通常国会、見ものです。

新・現代官僚論⑤「総理の振付師」

 文藝春秋digitalで連載中の「新・現代官僚論」5回目はいよいよ今井尚哉さん。

安倍政権における今井尚哉といえば、今さら多くの説明を要すまい。首相の政務秘書官という影の存在が2019年9月の内閣官房人事で補佐官に就任した。内閣法第22条によって定められている首相補佐官の定員は5人で、官房副長官と同じく、国会議員と官僚出身がいて、それぞれに担当が与えられる。たとえば今井と同様、この9月から首相補佐官に就任した二人の代議士のうち、秋葉賢也は「ふるさとづくりの推進および少子高齢化対策」、木原稔は「国家安全保障」を担当することになる。
その5人の首相補佐官の中で、今井は政策企画の総括担当というポジションを与えられている。企画担当といってもわかりづらいが、要するに政策全般の企画立案、推進を担う。2012年12月に発足した第二次安倍政権ではこの7年近く、長谷川榮一が企画担当補佐官の任を担ってきた。今井にとって経産省の先輩官僚にあたる長谷川を押しのけ、その重要ポストに就いたことになる。
(以下略)

 

元総務次官候補激白「ふるさと納税は間違っている」

 本日発売の週刊文春に寄稿しました。菅官房長官自慢のふるさと納税について反対して左遷された元総務官僚の回顧告白です。

 その日の内閣官房長官執務室は、いつにも増して淀んだ空気が流れていた。菅義偉の待つ部屋に、総務省自治税務局長の平嶋彰英が入る。平嶋のお供で入室した総務省市町村税課長の川窪俊広はもとより、同席した官房長官秘書官の矢野康治(現財務省主税局長)や内閣官房内閣審議官の黒田武一郎(現総務省事務次官)らも、二人の会話に口を挟むこともできず、ただ見守っていた。
 二〇一四年十二月五日のことだ。会議の議題はふるさと納税である。制度の生みの親を辞任する菅は、ふるさと納税を広める手段を総務省に命じていた。その一つが、寄付控除(寄付した分の税経が戻ってくる)上限の倍増である。
「寄付控除の拡充に合わせて、(返礼品の)制限を検討しています。ただ(制限について)法律を書くことについて、法制局からは難しいと反応をもらっています。そこを踏まえ、通知で自粛を要請しているところでございます」
 文字どおり苦虫を噛み潰したような不機嫌な菅に、平嶋が恐る恐る切り出した。すると菅が口を開いた。
「(制限は)通知だけでいいんじゃないの? 総務省が通知を出せば、みんな言うことを聞くだろう」
 平嶋は反論した。
「そうでないところもあります。根拠は何だ、と聞いてくるようなところも」(以下略)

 

なりものヤフー・井上雅博伝最終回「メディアの行く末」

 いよいよ30回目、週刊現代連載「なりものヤフー・井上雅博伝」の最終回です。

 天才とは、蝶を追いかけて山の頂まで昇ってしまう小さな子供のことである――。
 映画「エデンの東」の原作者でモントレー生まれのノーベル賞作家、ジョン・スタインベックの寸言である。当人はヤフーのジェリー・ヤンやデビッド・ファイロと同じスタンフォード大の英文科を中退している。
 井上雅博は、まさにスタインベックの表現したその〝天才〟に近い。パソコンやインターネットに魅せられ、日本のITビジネスの頂点に駆け上った。ヤフー・ジャパンの後継社長となった宮坂学が「インターネット業を興した産業家」と評し、現社長の川邊健太郎が「日本で最も成功したサラリーマン」と称えたように、ITビジネスの世界で大成功をおさめたのは疑いようがない。
(以下略)

 ご愛読ありがとうございました。

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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)など。最新刊は「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)

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