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2019-08

元農水事務次官「息子殺し」の不自然な言い訳

 元農林水産事務次官の熊沢英昭容疑者(76)がひきこもりの長男(44)を殺害した事件で、逮捕されたあと、川崎市登戸駅近くの20人殺傷事件を引き合いに出し、「息子が子どもに危害を加えてはいけないから殺した」かのような供述を警視庁にしていると報じられています。しかし、本当でしょうか。
 元次官は息子の中学生時代から家庭内暴力に悩んでいたと言いながら、そのまま放置し、大人になった息子の生活費の援助までしていたそうで、息子はこの5月に帰ってきたばかりだといいます。
 つまり、そこで家庭内暴力が再燃したというだけの話。元次官が父親として息子に向き合わず、打つ手は他にもいといろあったはずですが、怖かっただけではなかったのでしょうか。それを川崎市の事件と結びつけ、あたかも社会的な影響を考えて犯行におよんだ、などとという話にすり替えているようにしか思えません。
 こうしたエリート官僚の不良子息といえば、防衛省の元次官や文科省の元局長のケースを彷彿とさせます。至極当たり前の話ですが、いくら忙しくても、家庭内をおさめられないようでは国を任せられません。
 
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五反田「地面師事件」新たな不動産売買

 積水ハウスがまんまと騙された地面師事件の舞台となった五反田の海喜館を、旭化成不動産レジデンスが購入していることがわかりました。売買は事件のあった平成29(2017)年の11月7日、取引には「始期 令和2年1月15日」という条件が登記されています。始期付きというのも珍しい取引で、要するに売買予約のようなもの。売主は手付金を受け取って売買契約をしてはいるけど、このときまでなら買い戻すことも可能だそうです。買い戻すときは手付金の2倍くらいを買い手に支払う必要もあるといいますが、それまでにもっと高い買い手が現れれば買い戻すケースも稀にあるらしい。
 売り主は元女将の異父弟、もともと女将の母親の再婚相手の息子で、これまで伝えられてきたより複雑な血縁関係があるようです。事件発覚のすぐ後に旅館を売りに出していたことにもなります。今後の展開からも目が離せません。

積水ハウス「地面師事件」で妙な動き

 五反田の旅館「海喜館」を舞台に積水ハウスが55億円をだまし取られた地面師事件で、なりすまし役と手配師の裁判が結審しました。いずれも詐欺罪で、東京地検は名うての手配師、秋葉紘子(75)となりすまし役の羽毛田正美(64)に懲役7年、羽毛田の彼氏役を務めた常世田吉弘(67)に懲役5年を求刑。判決は7月17日ですが、ちょっと軽いかもしれません。
 内田マイクやカミンスカス操ら主犯格の裁判はこれからですが、その公判が進んでいるさなか、詐欺の舞台となった海喜館にもちょっとした動きがあったみたいです。もともと曰くつきの物件だけに、いろんな輩の思惑が錯綜しているようで――。

87歳「暴走老人」と日産「ゴーン」逮捕・身柄拘束の意味

 池袋で暴走し2人の死者を出した87歳の元通産相キャリアに対しては逮捕すべきだというが、日産自動車のゴーン前会長については保釈すべきだという。マスコミの論調は、いかにもご都合主義ではないでしょうか。
 被疑者を逮捕・身柄拘束するのは、逃亡や証拠隠滅の恐れがあるからだ、とされます。たとえば87歳の暴走老人のケースでは、逮捕されてしかるべきでしょうが、警察はすでに証拠を固め、当人も病院にいるので逃げる恐れがなく逮捕の必要なしと判断したといいます。が、自殺する恐れもあります。自殺も罪から逃れる広義の逃亡といえ、そうなれば警察の失態。
 一方、日産のゴーン前会長について東京地裁は、妻をはじめとした事件関係者との接触を禁じたうえで保釈を認めました。だが、換言すると、裁判所は証拠隠滅の恐れありと自覚していながら、自由にしたという話。これをもって人質司法の在り方を見直したと評価する向きもあります。が、そもそも保釈理由が成立していないのではないでしょうか。
 日本人はとかくグローバルスタンダードという言葉に弱いけれど、事件を見るにつけ、問題をまぜこぜにしているだけのように感じます。日本独自の司法判断があってもいい、と常々思うのですが。

ゴーン4度目の逮捕「特捜部」の間違い

 本日、東京地検特捜部が日産自動車のカルロス・ゴーン前会長をオマーンルートの特別背任容疑で逮捕した模様です。これで4度目。4度目の逮捕は昨年末から囁かれていて少し遅い気もしますが、ある意味、外国の捜査でもあるので時間がかかったのかもしれません。
 この逮捕について、予定されていた4月11日のゴーン会見つぶしではないか、という見方があります。それはどうか、判断がつきませんけど、ここまで逮捕が長引いてしまったのだから、特捜部は記者会見をやらせるべきではなかったでしょうか。記者会見で自らの潔白をどう訴えるか、とうぜん記者からの質問タイムもあるでしょうから、オマーンルートについても話さざるを得なかったと思います。もとより公判前整理手続き上のタイムスケジュールもあるでしょうが、それを見てから逮捕という段取りのほうがよかったのでは――。
 仮に記者会見で質疑応答がなければ、それこそイメージが悪いし、ゴーンサイドにはさほど打つ手はなかったように感じます。

 
 

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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)など。最新刊は「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)

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