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2020-01

東京地検「IRカジノ利権捜査」の考察

 特捜部が秋元司前内閣府副大臣を再逮捕し、前の分と併せて収賄額が700万円を超えました。予定どおりネタを小出しにしながら、汚職の金額を積み上げていっています。贈収賄での立件という意味では、これも一定の評価があっていいと思います。
 やはり気になるのは次のターゲット。下地さんを除けば、トンネル会社となった観光会社も在宅起訴されているので、政治資金規正法違反に問うことも十分できると思いますが、5人の議員には職務権限がなく、それぞれ100万円の裏献金。そこをどう判断するでしょうか。在宅起訴でもいいから、立件すれば裁判の過程でいろいろ出て来てわかりやすくなるのですが。
 カジノの件は加計学園問題における下村さんの政治資金規正法違反と違って安倍首相を直撃する案件というより、菅官房長官ならびに二階自民党幹事長への打撃。したがって検察としてもやれないことはないでしょう。もう一人国会議員を立件するとなれば、おもしろくなるのですが、最悪なのは検察がカジノ利権捜査を取引材料にして適当なところで幕を引くケースでしょうか。
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日産ゴーン「海外逃亡」見当違いの議論

 カルロス・ゴーンの海外逃亡に対してさすがに批判が高まっている半面、相変わらず日本の司法批判やクーデター説をことさらに大袈裟にとらえる声が耳にさわります。逃亡と捜査問題では、論点が異なるのは言うまでもありません。にもかかわらず、だからゴーンは逃げたというのですから。
 海外ではこうなっているとか、日本は遅れているとか、とかく日本人がグローバルという言葉に弱いのは今に始まったことではありませんが、では現状の捜査が本当に外国に劣っているのでしょうか。むしろ欧米に比べると捜査の精密性は高い。人質司法といいますが、勾留するのはそれなりの理由があり、どんな人でも保釈して自由にすればいいというものではないでしょう。
 なによりクーデターだから冤罪だといわんばかりの論調には驚かされます。事件や不祥事の情報が権力闘争からこぼれ出てくるのは世の常であり、要するにそこを見極めてどう捜査するか。子供でも分かる話なのに、実態を無視して日産の企業としてのあり方と犯罪問題をすり替えてしまっています。意識してそうしているかもしれませんけれど、日本の識者という方々はどうかしているのではないでしょうか。

日産ゴーン元会長「海外逃亡」の責任者

 弁護団は「知恵を絞った」と大きく胸を張ったけれど、結果はご覧の通り浅知恵というほかありません。あの許永中が韓国に行って行方をくらましたのは、裁判所が渡航を許可したからですが、逃げようとすれば監視カメラなどは何の役にも立ちません。
 しかし、逃亡を許した責任論はほとんど見かけません。甘い判断を下した裁判所は言うまでもありませんが、それを唆した弁護団、さらには弁護団の〝知恵〟と褒めちぎったマスコミ。それぞれに反省すべき点があるのではないでしょうか。裁判所の甘い判断に危機感を覚えた日産が独自に監視カメラを設置し、それに対して弁護団が刑事訴訟を準備。カメラが外された隙をついてゴーンはまんまとトンズラしました。まるで裁判所と弁護団が手を貸しているようなもので、単に裏切られたとか、騙された、で済まされる問題ではありません。
 そもそも犯人が逃げたくなる心理は刑法でも認めており、保釈された本人の逃亡罪は適用されません。逃げた場合、被告人は犯人隠避の教唆で逮捕しているのが実情。だからこそ用心しなければならない。彼は世界的な経営者などではなく、単なる身勝手な犯罪者なのですから。

Xデー間近「秋元司」北海道カジノ断念との因果関係

 内閣府副大臣と国交副大臣を兼務していた秋元司代議士への事情聴取が始まりました。新聞各紙はすでにXデーの予定稿を書いているとも言われますが、株価操作の怪情報まで飛び出して現場の記者たちは大変だそうです。
 本丸はカジノ利権といわれるこの事件。特捜部は目下北海道ルートの捜査をしていますが、あれほど熱心だった鈴木知事がとつぜんカジノを断念したことと何らかの関係があるように思えてなりません。苫小牧のカジノといえば、菅官房長官の肝煎りで鈴木知事が空港民営化&リゾート構想を描いてきました。カジノもその一環で、空港の民営化に登場するのがあの竹中平蔵さんと和泉洋人首相補佐官。妙に役者がそろっています。ただし、地検がそこまで視野に入れているとも思えませんが。

なんとも嫌な感じ「関電事件」

 関電首脳や幹部たちが3億2000万円相当の金品を受け取っていた一件。「おまえの家にダンプで突っ込む」とか「娘がかわいくないのか」とか「おまえなんかいつでも飛ばせる」とか。要は、関電側の報告書は脅されたことをこれでもか、と強調しています。まるで怖いからしぶしぶ金品をもらった被害者面なのですが、まさに死人に口なし。ある関西の元建設談合のボスにいわせると、「関電の言い訳はえげつないで」と。
 問題の森山元高浜町助役、かつて解放同盟に在籍していたことがあるのは確かでしょうけど、事情通たちは「それほどの大物とは思えない」ともいいます。
 国税の捜査からずい分時間が立って話が漏れてきたのも不可解。それらも含め、関電シナリオなのかも。

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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)など。最新刊は「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)

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