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2008-03

警視庁「苦肉の策」で不動産業界に激震

 先ごろ、警視庁が東京都内のビル立ち退きをめぐり、大阪の不動産会社「光誉実業」の朝治社長を逮捕しました。これが不動産業界に波紋を広げています。ポイントは逮捕容疑の弁護士法違反。弁護士法では、権利関係の交渉ごとをおこなえるのが弁護士に限るという規定があるのだそうです。一般に地上げやビルの入居者の立ち退き交渉をおこなっているのは、業者ですが、厳密には法律違反らしい。これでは地上げ屋の商売はあがったり。業界が騒ぐはずです。
 この事件、もともと警視庁が光誉実業の朝治社長を狙っていたといいます。というのも、朝治社長を山口組系宅見組のフロントだと睨んでいたから。暴力団の資金源を断とうとした捜査の一環でした。だが、立ち退き交渉における脅迫や強要での事件化ができない。そこでやむなく弁護士法を適用して逮捕にこぎつけたという次第。ただし、この法律を厳密に運用したら不動産業界は成り立たなくなる、という声があがっています。やはり、弁護士法そのものが世間との感覚からズレているのでは。
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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)など。最新刊は「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)

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