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2009-05

オリックスクレジット「切り売り」本当の思惑

 巨大な有利子負債に悩むオリックスが、グループの「オリックスクレジット」を三井住友銀行に売却する、との報道がありました。この会社、要するにサラ金とカード会社なのですけど、グループの優等生。売却額は全株の半分に当たる300億円程度だそうですから、三井住友にとっては安い買い物に違いない。かたやオリックス側にとっては、売却益を膨大な借金返済の一部に充てるつもりらしい。が、その有利子負債額5兆5000億円からみると、焼け石に水に近いでしょう。
 オリックスの本当の狙いは、そこではありません。グループ企業の株をメガバンクに売却すると世間にアピールするのが最大の狙いです。売却するのはオリックスクレジット株の51%。当然、銀行側に経営権を握られるのですけど、41%の株を手元に残しておく。すると、メガバンクとの提携という形にみえなくもないため、オリックスそのものに信用力がつく、という寸法です。
 ただし、実のところメガバンク側は安く買いたたけるから、この会社の過半数株を買うに過ぎず、オリックス本体を支援するつもりは毛頭ありません。
 この先、オリックスはリース部門も切り売りしていく方針のようですけど、売れるのは優良な部門だけ。経営不振のところだけが残り、ますます苦しくなっていくかもしれません。
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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)など。最新刊は「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)

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