2009-07

元公安庁長官「朝鮮総連事件」控訴審の最難関

  昨日、緒方重威元公安調査庁長官が司法を考える会で講演をしましたので、行ってきました。朝鮮総連本部ビルをだまし取ったという詐取容疑で逮捕、起訴され、一審で執行猶予付き懲役2年10月の有罪判決が出たばかり。目下、控訴中のヤメ検弁護士です。
 緒方さんは拙著「ヤメ検」でも紹介させていただきました。その中に書いているように、朝鮮総連が被害者の詐欺事件は検察も強引な捜査を展開しており、講演でもそのあたりを強調していました。
 ただし、現実問題として、控訴審はかなり難しい裁判になるでしょう。一つは新事実がなく主張が一審のときと変わらないこと。二つ目は緒方さんがなぜ総連に肩入れしたのか、納得できる理由を示していないことなどです。仮に緒方氏が無罪になると国家賠償請求する権利が発生するため、敢えて原審を破棄する控訴審判決が出しにくいという事情もあります。詐欺というには無理がある事件ですが、いわばこれが司法の限界かもしれません。

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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクションライターです。08年、「ヤメ検――司法に巣くう生態系の研究」、09年の「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事が2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」を受賞。主な著作に「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」(新潮文庫)、「ヤメ検―司法エリートが利欲に転ぶとき」(新潮社)、「許永中――日本の闇を背負い続けた男」(講談社)がある。日本の空港問題を検証した「血税空港――本日も遠く高く不便な空の便」(幻冬舎)に続き、9月、「同和と銀行――三菱東京UFJ牘れ役瓩旅い回顧録」(講談社)を発売。

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