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2012-03

小沢一郎裁判「捜査報告書ねつ造」報道の考察

 小沢一郎元民主党代表の政治資金規正法違反事件が大詰めを迎える中、例の捜査報告書のことがしばしば取り上げられています。石川さんの取り調べで、検事から自らの有権者のことに触れられ小沢さんとの共謀を認めた、というクダリ。隠し取りにそれがなかったことはすでに明らかになっており、小沢側が問題視しているわけですが、これまであまり重大だとは感じませんでした。
 そのなかで昨日の朝日新聞は、出色でした。田代検事が小沢弁護団に公判で弁明した「それまでの取り調べや石川氏らの著書にあったので、記憶が混乱した」という点について指摘。なかで、石川さんらの著書は捜査報告書作成のあとに発売されていたことから、公判供述も信用できないとしています。
 実際、著書の発売はその通りなので、これも田代検事の間違いではあるでしょう。公判でとっさに尋ねられてそんな答えしかできなかった田代検事はお粗末としか言いようがありません。
 ただし、問題はそこではないように思います。朝日でも触れいる通り、石川さんご自身の著書に取り調べ状況として同じことが書かれている。となればなかった話ではないということで、真実を解明するという意味では、そのことのほうがむしろ重要なのではないでしょうか。隠し録音と同じく、この著書も、小沢陣営にとって両刃の剣かも。
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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)など。最新刊は「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)

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