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2012-08

文藝春秋は大津いじめ事件「父の壮絶な闘い」

 本日発売の文藝春秋では、大津のいじめ事件をレポートしました。タイトルにある通り、被害少年の父親をはじめとした遺族と学校や教育委員会との闘いを中心に取材したものです。以下、冒頭――。

 その一枚のスナップ写真が、奥深い事件の悩ましさを物語っていた。カメラに向かってピースサインで答える若く美人の母親の隣で、背の高い中学生が同じように指をVの字に広げている。写真の背景は北陸・能登半島にある墓地だ。
 母親は双子の中学生姉弟を連れ、自家用車で滋賀県大津市から石川県へ向かった。先祖が眠る石碑に手を合わせた。恐らく交代でカメラを手にし、記念撮影したのだろう。母親と長男の笑顔のツーショット写真は、姉がカメラのシャッターを切った一枚に違いない。どこから見ても、幸せそうな家族の風景である。
 撮影日は二〇一一年十月十日月曜日の体育の日――。悲劇はその翌朝に起こった。ツーショット写真の中で笑っていた息子は、大津市立皇子山中学に通う十三歳の二年生だ。十月十一日、琵琶湖畔を望む十四階建の自宅マンションから身を投げてしまうのである。
 自殺の原因は、中学で繰り返されていたいじめにほかならない。しかし、少年の父母たちは息子が命を断つまで、いじめの事実に気付かなかった。中学校や教育委員会は見て見ぬふりをしてきただけでなく、現在にいたるまでいじめと自殺の因果関係を認めようとしない。
 両親が長男の受けたいじめを疑い始めたのは、その死から間もなくのことだ。そこから四十七歳の父親の知られざる孤独な闘いが始まる。両親の行動がなければ、真相は闇に埋もれていたに違いない。

 少し前置きが長くなりましたけど、やはり考えさせられる問題です。ぜひご一読を!
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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)など。最新刊は「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)

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