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2013-02

田中森一・森功特別対談「ヤクザとカネと大阪府警秘話」

 本日の「大阪府警暴力団担当刑事『祝井十吾』の事件簿」の発売を記念し、同日のフライデーで元特捜検事の田中森一さんと特別対談をやらせてもらいました。さすがに田中さん、暴力団社会や警察捜査にお詳しい。以下のような感じです。

田中 実は今度の山口組若頭による恐喝事件の被害者とされる上田藤兵衛さんは、古くからの知合いなんです。自民党系の同和団体で被差別部落の解放運動に取り組んでこられた上田さんは、京都のややこしい事情にも通じている。それで弁護士活動をする際に京都事情を尋ねたりしているうち、懇意になった。私が大津刑務所に服役する前には、築地の料亭で送別会をしてもらったほどの仲です。
森 さすが人脈が広いですね。上田さんには私も会い、この本の中でも恐喝事件について書いています。本の主人公である元大阪府警捜査4課の祝井十吾(仮名)はずっと暴力団の捜査をしてきましたので、暴力団社会のトップに君臨する山口組若頭の事件は、ことのほか気にかけていました。『暴対法ができて20年も経つのに、こんな出来事がいまだにまかり通っていた』と嘆いていましたね。
田中 それだけヤクザや暴力団が日本の社会に根付いているという証左でしょうね。理想を言えば暴力団は根絶すべきだが、日本社会の中で必要としている部分が残り、まだまだそのつながりを断ち切れないのが現実です。


田中 とくにバブル景気当時はブラックマネーが盛んに動いていて、その大部分がヤクザの金でした。たとえば東急電鉄株を仕掛けた仕手集団、誠備グループの加藤暠。その仕手株に資金を流していたのが、稲川会(会長の石井進)だった。あるいは光進の小谷光浩の仕手戦も、そういうブラックマネー絡み。今にみたいに証券監視委員会がうるさくなかったから、ブラックマネーが動きやすかった面もあります。それで、仕手戦に失敗して行方不明になったのが、元山口組系組長から仕手筋になったコスモポリタングループの池田保次。ヤクザの金を使って環境設備メーカー「タクマ」株の上げ下げをしていました。私がそのタクマの顧問弁護士として対抗しました。
森 バブル景気のときは、失踪だけでなく暴力団やその周辺者による謎の自殺や怪死がたくさんありました。しかし、真相の解明にはいたっていないケースが多い。本編の主人公である祝井十吾は、暴力団そのものはむろん、周辺者の捜査を綿密に繰り返しながら、事件の真相に迫ろうとしています。株絡みの経済事件でいえば、パチンコ情報誌の販売で荒稼ぎした末に、市場の株価操縦を繰り返した梁山泊グループの豊臣春国らを逮捕しています。私自身、今度の取材で豊臣にインタビューしていますが、府警の狙いが山口組幹部と彼の関係解明や不透明なカネの使い道にあったのは間違いない。府警の調べによると、なにしろ豊臣の使途不明金はひと月に1億円を超え、50億円がどこかへ消えているんですから。

 本の売れ行きは結構よさそうでホッとしています。2月25日午後6時から大阪梅田の紀伊国屋書店でのサイン会もぜひ。

 
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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)など。最新刊は「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)

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