2014-05

報道されない南シナ海の微妙なパワーバランス

 中国の南シナ海の横暴が続いています。いったいどうなっているのか、と思い、昨日、ベトナム、フィリピン問題に詳しい消息通の説明を聞いてきたところ、報道されているニュアンスとは少し異なっているようです。周知のように中国とASEAN諸国との領有問題で揉めている南シナ海は、大きく西沙、中沙、南沙という3つの群島に分かれますが、ほぼ中国が実効支配しているのが西沙諸島で、過去も今もベトナムとドンパチをやっているところ。中沙諸島はフィリピンとの間の漁業問題で最近中国が攻勢をしかけている地域。最後の南沙諸島は、実は中国の実効支配はミスチーフ、ジョンソン、フィエリクロス、スービ、クアルテロンの5礁で、ここに建造物をおっ立てているわけです。
 といっても、南沙諸島のうち中国が支配しているのはおよそ20ある主要な島と岩礁の中でこれだけ。しかもいずれも島ではなく満潮になると水面下に沈むような岩礁に過ぎません。残る15の島や岩礁はフィリピンをはじめ、ベトナム、マレーシア、台湾、ブルネイが各自で支配しています。で、南沙諸島に関しては、2002年のASEAN憲章の「南シナ海行動宣言」に中国も加わり、これ以上、他の支配地に手を出さないと合意している。にもかかわらず、中国が最近になってちょっかいを出しているわけですが、報道にあるように周辺国も一方的にやられっぱなしではなく、けっこう踏ん張っているらしいです。
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森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクションライター。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」受賞。主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)など。最新刊は「日本の暗黒事件」(新潮新書)

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