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2015-06

時代遅れの郵便貯金「上限引き上げ」

 自民党がゆうちょ銀行の預金限度額を1000万円から3000万円に引き上げようとしています。この秋の株式上場を見込んで、できる限りゆうちょ銀行の経営をやりやすくしようとしている政策のつもりでしょうが、昨夜お会いした金融当局者は、「かなり時代遅れの発想だ」とバッサリ切り捨てていました。
 200兆円という莫大な預金のある郵貯はこれまで、市中銀行の預金を奪い取り、民業を圧迫していると指摘されてきました。そして今回も、民営化されたのに、さらに預金を集めようとするとはけしからん、と地方銀行から怒りの声があがっています。
 しかし当のゆうちょでは、そもそも200兆円の資金量をいかに減らすか、とスリム化を図っているところだそうです。これ以上預金を増やしても、運用先がなく、返って経営を圧迫するだけだからで、そんなところへ、自民党から預金限度額引き上げ策が出て、困っているのだそうです。さらに自民党は、住宅ローンをやらせろ、などと言っているが、それも手間やコストがかさんで儲からない。どうにも、ちぐはぐな政策というほかありません。
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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)など。最新刊は「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)

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