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2015-07

少年A「絶歌」にもう一言

 今日発売の中央公論「森功の社会事件簿」に、神戸児童連続殺人事件の少年Aの「絶歌」について書きました。冒頭――。

 一九九七年に神戸市須磨区で起きた連続児童殺害事件の犯人、元少年Aの手記「絶歌」(太田出版)の出版が、さまざまな物議を醸した。概ね批判的な意見が多い。
「被害者遺族に無断で出版するなど、言語道断だ」
「三十二歳なのだから、手記を出すなら実名で正体を明かすべきだ」
「犯行の描写は、遺族に対する二次被害にあたる」
「中身は自己正当化と身勝手な自己弁護に過ぎない」
 本を一読すれば、どれも的を射ていると言わざるをえない。入荷を拒否した書店や図書館、不買運動などの動きも理解できる。結論からいえば、それほど「絶歌」はひどい。
 神戸の元少年Aの事件については、当時、週刊新潮にいた私も取材をしたので、少しばかり思い入れがある。現在、七十歳を超える編集部の先輩記者が、土師淳君の父を説得し、手記を書いてもらった。遺族はおかげで心の整理がついたと感謝してくれた。
一方の私はといえば、Aの父親に取材を試みた。もとより加害者の家族に刑事責任はない。が、なぜこのような事件が起きたのか、その原因や背景に少しでも迫りたかったし、十四歳の少年の両親には、息子の罪や心の闇を抉り出し、分析する義務がある。そう考えたからだ。

 産経新聞にもコメントしていますので併せてどうぞ。
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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)など。最新刊は「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)

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