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2016-06

いかにも臭い「東電第三者委員会」の政治的な報告

 今になってというか、タイミングよくというか、東電福島第一原発事故に関する第三者委員会の報告が発表されました。それによると、当時の清水社長から武藤副社長に炉心溶融(メルトダウン)という言葉を使うなと社内指示が出ていたとか。そこまではさもありなん、ですが、その指示が民主党政権時代の官邸から出ていたというもの。官房長官執務室に清水氏が呼ばれてメルトダウンを公表するなと命じられたといいます。ところが、第三者委員会ではそのことについて民主党の菅さんや枝野さんに事情聴取していないとか。あたかも東電サイドのアリバイ作りをそのまま鵜呑みにしているかのようにも見えます。当然のごとく、この件を菅さんや枝野さんは否定していますが、東電の清水元社長にいたっては、官邸の誰からの指示か記憶にないとまで言っています。
 いかにも政治的な報告。第三者委員会は田中康久、佐々木善三の両弁護士が調査をしたといいますけど、マムシの善ちゃん、またやってくれた感があり、都知事選や参議院選の前にぶつけてきた、と勘繰りたくもなります。プンプン匂うばい。
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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)、「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)など。最新刊は「ならずもの井上雅博伝 ヤフーを作った男」(講談社)。

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