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2019-04

なりものヤフー・井上雅博伝⑥「母の思い」

 本日発売の週刊現代「なりものヤフー・井上雅博伝」の6回目は、先週に続き井上さんの生い立ち編です。

 井上雅博の実母和子は、かつて一家が暮らした東京都営の祖師谷団地を離れ、都内の住宅街でひとり暮らしている。そこを訪ねた。
「あの子はごく普通に育ったので、とくに話すことなんてありません。試験前に朝まで勉強していることもよくありましたから、勉強は得意だったかもしれません。でも決して天才だなんて思いません。団地で遊ぶ普通の子です」
 そう言葉少なく、静かに語った。ビジネス界でこれ以上ない成功をおさめた息子について、謙遜しているというより、むしろ本心からそう思っているように感じた。
「あの頃の祖師谷団地はとても人気でしてね。入居希望者の競争倍率が高いものですから、なるべく抽選に当たりやすいよう、狭い部屋を選びました。雅博がお腹にいたとき入居が決まったんです。住み始めると、とても便利なので、家を建てようなんて考えもしませんでした。団地内で三回引っ越しをして、少しずつ大きな部屋に移りました。最後は、以前に山田洋次監督がお住まいになられていた部屋でした」(以下略)
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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)など。最新刊は「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)

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