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2019-08

景気後退なのに安倍首相はなぜ消費税を上げるのか?

 世界中の長短金利逆転現象が起き、いよいよ不況の到来が濃厚になってきています。そんな折、安倍政権は消費税10%に踏み切るといいます。むろん財政や社会保障を考えると消費増税はやむなしなのですが、景気のよかった時期にさんざん延期しておいて、なぜ今になって増税するのか、疑問に思うのは私だけではないでしょう。
 考えられる理由は経団連をはじめとした産業界の要請。表向き10%消費税は国際公約なのだから、延期すれば信用を失うというのが理由ですが、実際はこれまで延期しても大して影響はありませんでした。
 産業界にとっても消費増税は景気を冷やすため歓迎しないように考えられがちです。 しかし、そうではないようです。
 社会保障のための増税やむなしという空気が高まるなか、大企業はこれまで恩恵に与ってきた法人税減税の批判を恐れているのではないでしょうか。共産党などはずっと大企業の内部留保のことを言い続けていますが、過去の消費税分が企業の減税にあてられているのはたしかで、税収が行って来いになっている挙句に、企業が豊かになって国民が貧乏になっている。それに気付いた国民の声が上がる前に消費増税をしてしまえ……。てな思惑で政経一致しているのかな。

 
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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)など。最新刊は「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)

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