2017-10

週刊現代ジャナ目「安倍バブル崩壊の危機」

 今週号の週刊現代「ジャーナリストの目」は、3月末で期限切れとなる金融円滑化法の問題に触れました。以前、本欄でも記載しましたが、さらに根の深い問題のようです。以下、一部抜粋――。

 株高に円安……、絶好の滑り出しを切ったかに見える安倍晋三政権の2013年。そこに水を差すつもりはないが、早くも不安視する声が上がっている。最大の難関が3月に期限切れを迎える中小企業金融円滑化法(返済猶予法)問題だ。
 自民から民主への政権交代直後の09年12月、法が施行された。お陰で、もっぱら信用組合や信用金庫から融資を受けている中小企業は当面、利払いなどで済み、原本返済を猶予されてきた。金融円滑化法は本来、11年3月末までの時限立法だったが、不況を理由に適用の期限を2度延長。さすがにこの3月の3回目の延長は避けたいというのが、財務省などの意向だ。
 仮にこの法律がなくなればどうなるか。金融庁のデータによれば、昨年9月時点で金融円滑化法を利用して融資条件の変更を受けてきた中小企業は、実に344万件に上る。むろん累計の数字なので重複があり、実数は5万から10万社とされるが、ものすごい数に違いない。その返済猶予額は、九十六兆円に達している。これが一挙に焦げ付く危険性を孕んでいるのだ。
 つまるところ金融円滑化法は、中小企業にとって一時しのぎに過ぎず、事業面で改善を期待できるわけではない。この間、大半の中小企業は、業績が落ち込む一方だった。そのため民主党政権下で法を2度も延長してきたのだが、いわば法の延長は両刃の剣といえる。
 企業が経営破綻や倒産という事態は避けたいのは山々だ。が、反面、法的処理をして血を流せば立ち直るケースもある。日本航空(JAL)のような優遇措置は期待できなくても、倒産後に残った従業員が会社の再生を目指す例はいくらでもある。
 しかし目先の金利減免や元本返済猶予頼みではそうならない。結果、事業改善の意欲が損なわれ、知らず知らずのうちに企業としての基礎体力が奪われていく。通常なら、とうに倒産している企業が延命されることにより、出直す再生の可能性が少なくなってしまう危険性があるのだ。景気が悪いから法律を延長すればいい、という単純な発想では、いたずらに傷口を広げかねないのである。

 結局、問題先送りの法延長というところに落ち着くのでしょうか。
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森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクションライター。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」受賞。主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)など。最新刊は「日本の暗黒事件」(新潮新書)

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