2017-10

小沢一郎秘書公判「高裁判決」を前に総括

 来る13日の小沢事務所の3元秘書の高裁判決がありますので、あす発売の中央公論で取り上げました。コラム名は「森功の企業事件簿」からリニューアルし、「森功の社会事件簿」となりました。

 小沢一郎事務所の政治資金規正法違反事件の控訴審が結審し、いよいよ判決を迎える――。こう書けば、ひょっとして「小沢先生の無罪は確定しているのに何を言っているんだ」と勘違いし、立腹されるムキがあるかもしれない。が、こちらは元秘書たちの控訴審だ。小沢の政治資金管理団体「陸山会」の政治資金を巡り、三人の元秘書たちが被告になっている事件については、いまや新聞もベタ記事扱いで、ほとんど目立たなくなってしまったが、来る三月十三日、一審に続く控訴審判決が言い渡される予定である。
 この間、当の小沢本人はといえば、十二月の衆院選に臨んだものの、あえなく惨敗。若い時分から永田町でとびきり注目されてきた政治家なのに、近頃は影が薄く、さっぱり話題にのぼらなくなっている。そんなかつての剛腕政治家の勢いを削いだ最大の原因が、元秘書たちの公判であり、それがボディブローのように利いてきたといえる。
 筆者は本人、元秘書どちらの公判も欠かさず傍聴してきた。あれほど騒いだ政治とカネの事件とはいったい何だったのか。リニューアルした「社会事件簿」の第一回は、改めて小沢一郎の政治とカネ公判を省察する。
 一連の裁判でまず特筆すべきは、一審の判決公判における裁判所の見解である。二〇一〇年四月に言い渡された小沢本人の無罪判決とは裏腹に、三ヶ月後の七月、元秘書たちに有罪判決が下った。小沢事務所の会計責任者だった大久保隆規に禁固三年、事務担当者の石川知裕に禁固二年、石川の後任秘書だった池田光智に禁固一年という執行猶予付き有罪判決だ。
 ここで、小沢事務所の三元秘書たちによる政治資金収支報告書の虚偽記載が認定される。逆に、実務に直接タッチしない国会議員という立場を強調し、知らぬ存ぜぬで通して勝ち取ったのが、本人の無罪だ。だが、あにはからんや、無罪のはずの裁判が政治家、小沢一郎に大きな影を落とす結果になる。

 なぜ小沢さんは失墜したのか、改めて裁判の流れを振り返ってみました。
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森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクションライター。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」受賞。主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)など。最新刊は「日本の暗黒事件」(新潮新書)

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