2017-08

西武HDVSサーベラス内紛

 今週号のアサヒ芸能「森功のニッポン裏経済新聞」は西武ホールディングスの内紛について書きました。ハゲタカファンドと揶揄されるサーベラスの株式公開買い付けの行方はどうなりますか。以下、抜粋です。

 バブル崩壊から「失われた20年」の間、倒産や再編、廃業の憂き目にあった名門企業は数多いが、中でも注目された一つが西武鉄道グループだ。首都圏の鉄道網に加え、全国にプリンスホテルを展開。1987年から94年にかけ、グループオーナーの堤義明が米フォーブス誌「世界の長者番付」のトップに6度も輝いた。が、それもすっかり昔の話。05年3月、オーナーが西武鉄道株の証券取引法違反容疑で東京地検特捜部に逮捕されたのを機にグループは再編。西武鉄道の株式上場が廃止された。
 以来、堤に代わるグループ持ち株会社の西武ホールディングス(HD)の筆頭株主としてハゲタカファンドの米サーべラスが登場。一方、経営そのものは、メインバンクのみずほフィナンシャルグループから乗り込んできた後藤高志たちが、舵を執ってきた。外資と日本の銀行マンが手を携え、JALのように、昨年中には、西武鉄道株を再上場する段取りだった。
 が、ここへ来て、その再上場に待ったがかかっているのだ。しかも原因がオーナーのサーベラスとみずほ出身の経営陣との内紛というから、厄介なのである。
 長銀を買ったリップル・ウッド然り、ゴルフ場を買い漁ったゴールドマン・サックス然り。もともと外資系ファンドや投資銀行は、経営破綻して弱った企業を安く買いたたのち、再上場させて利ざやを稼ぐのが狙いだ。まさにサーベラスも、未来永劫西武鉄道を経営するつもりは毛頭なく、再上場を目指してきた。
 こと株式の再上場という点では、サーベラスもみずほ組と目的は一緒だが、双方には微妙な違いがある。どんな手段を使ってでも再上場後の株価を高くして儲けようとする外資に対し、日本の経営陣は企業運営の社会性を重視する。それが今度の対立点といえる。
 具体的には、東村山市の西武遊園地駅と所沢市の西武球場前駅間を結ぶ「山口線」、武蔵野市と府中市を走る「多摩川線」、埼玉県内の「西武秩父線」といった不採算路線を廃止、切り捨てようとしたサーベラス側にみずほ出身の経営陣が反発。すると、サーベラスはさらに持ち株を増やして経営陣に言うことをきかせようと、3月11日、株式公開買い付け(TOB)に踏み切ると発表した。

 気になるのはサーベラス側が送り込もうとしている初代金融庁長官の五味廣文さん、竹中平蔵さんと親しい親米、新自由主義論者ともいわれますが……。
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コメント

人間が早期退職で首を切られる時代に、赤字路線の廃止は致し方ないけど、なんか日本が日本でなくなる日も近いのかなと不安になります。

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森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクションライター。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」受賞。主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)など。最新刊は「日本の暗黒事件」(新潮新書)

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