2017-08

概算要求100兆円へ押し上げた自民党地域公約

 本日発売の週刊アサヒ芸能で来年度予算の概算要求問題に触れました。

 国会議員のセンセイ方はつくづく都合のいい解釈をされるものだと敬服する。消費増税が未定だから予算のシーリング(上限枠)は設けない――。安倍政権の一言を逆手にとり、ならば思い切り予算要求を、と発想するのが、自民党や公明党の議員たちだ。
 先頃、財務省に対する各省庁の概算予算要求が出そろった。その額、実に100兆円を超えるから、呆れ果てる。(中略)
 一方、あまり報じられないが、実はここまで積み上がった公共工事の概算要求は、先の参院選が大きな影を落としている。自民党議員は、選挙で中央本部と別に都道府県連の地域公約を設定。わが町、おらが村に道路や橋を持ってくる、と約束してきたわけだ。
 当の参院議員ではないが、地元向けに、「札幌に来なければ意味がない」と露骨にアピールした「北海道新幹線」をはじめ、青森県の「上北・津軽自動車道」や群馬県の「八ツ場ダム」、山梨県の「リニア新幹線」、和歌山県の「紀伊半島一周高速道」、鳥取県の「日本海高速交通網」、愛媛県の「四国新幹線」、大分県の「東九州道」……。日本全国津々浦々の地域公約が積み上がった結果が、今度の予算要求なのだ。

 先祖帰りといわれる所以――。
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森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクションライター。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」受賞。主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)など。最新刊は「日本の暗黒事件」(新潮新書)

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