2017-08

核燃料サイクルストップ「経産4人組」の決起

 本日発売の週刊ポスト短期集中連載「幻の脱原発クーデター」3回目は、いよいよ経産若手官僚たちの決起です。

 青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理にかかわる費用を電気料金に転嫁する制度づくりを担ってきた資源エネルギー庁電気ガス事業部原子力政策課と市場整備課。原子力政策課長の安井正也と市場整備課長の紀村英俊の下、市場整備課長補佐の伊原智人や原子力政策課長補佐の山田正人たち若手官僚四人組は、表向きその任に従いながら核燃料サイクルストップに向けて動いていった。
 東電の撤退三条件提示後の03年9月以降、使用済み核燃料の再処理コストを電気代に転嫁するバックエンド措置について有識者を招いた審議会「総合資源エネルギー調査会電気事業分科会」が本格的にスタートする。そこで翌04年1月までにバックエンド費用に関する具体策を練り上げると決まった。多くの有識者会議がそうであるように、これもまた第三者の専門家に意見を求めたアリバイづくりに過ぎない。が、そこで思わぬ事態が勃発した。
「中間貯蔵の可能量の限界であるとか、あるいは地元信頼の維持であるとか、そういう問題がありますので、それを十分に配慮しながら、あわせて考える必要があると。したがって、このバランスに立って、やはり国の長期にわたる子々孫々に及ぼす影響ということで考えるのであれば、あるべき姿にいかに近づけるかというところが私はポイントだと思うんです」
 26日の「第15回電気事業分科会」でとつぜんそう切り出したのが、内藤正久だ。内藤は産業政策局長を務め、次官候補と呼ばれた経産省出身の元官僚である。内部抗争に破れて退官したのち、03年6月から日本エネルギー経済研究所の理事長に就任していた。通称エネ研は、その大半の理事が電力各社OBで占められる御用シンクタンクと揶揄されてきた。
 内藤の発言は、経産省、東電の良識派がともに抱いてきた本音である。半面、審議会の参会者にとって、それだけに予想外の展開だったに違いない。
「経産省もなかなかやるもんだねぇ」
 メンバーの一人だった東電社長の勝俣恒久も意外に感じた一人だ。

 ここから19兆円の請求書づくりへと進んでいきます。
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森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクションライター。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」受賞。主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)など。最新刊は「日本の暗黒事件」(新潮新書)

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