2017-10

NHK「偏向報道批判」会長続投の舞台裏

 来年1月に任期が切れるNHKの松本正之会長に対し、反原発などの偏向報道が目立つという批判を払しょくするため、「放送の公平・公正について」と題した社内文書をつくり、幹部や経営委員会に配っているといいます。わざわざそんな説明をすること自体が不自然ですが、やはりそこには水面下の思惑が錯綜していそうです。
 もともとNHKは反原発というより、安倍政権にべったりの感あり。番組によっては海外への原発推進を持ち上げてきました。
 そんなNHKの報道姿勢は安倍シンパのJR東海会長の意向が反映されているのでないか、と前に書きました。今の松本さんはまさにJR東海の葛西会長の部下(副会長)だった人。葛西会長はむしろ、NHKはもっと安倍政権に協力すべきだ、といっているとか。ところが、NHKの松本会長が偏向報道という批判にさらされているという。それ自体が奇異な話であり、実際、そうではないはずです。
 つまり、この文書は松本会長による葛西JR東海副会長への逆説的なメッセージではないでしょうか。これだけ批判にさらされているので、勘弁してください、だから来年も続投を……と。深読みしすぎでしょうか。
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森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクションライター。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」受賞。主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)など。最新刊は「日本の暗黒事件」(新潮新書)

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