2017-08

中国「防空識別圏」に巧妙に利用された「ノータム」

 北朝鮮のやり方を真似て巧妙に仕組まれた戦略――。日本の航空関係者がそう感想を漏らした中国側の防空識別圏。そのポイントが、ノータム(NOTAM)という世界共通の航空情報だそうです。
 通常、ノータムは自国の航空当局が、航路の異常や空港の閉鎖などを他国のエアラインに知らせるための通信手段だといいます。航空会社はそれに従って飛行機を運航させるわけですが、これは軍事的にも利用できる。たとえば北朝鮮のテポドン打ち上げ時にも発せられたといいます。で、中国はこれをうまく使って日本の航空会社に戦闘機をスクランブル発進させるぞ、と脅し、日本のエアラインが尖閣列島の上空を飛行する場合には、フライト計画を提出しなければならなくなったのだそうです。いわば防空識別圏を既成事実化するための巧妙な手段。
 で、中国へ計画を出さないよう、日本の政府から航空各社にお達しがあったのですが、となると、中国戦闘機のスクランブル発進があり得るかも。いずれにせよ厄介な事態です。
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森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクションライター。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」受賞。主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)など。最新刊は「日本の暗黒事件」(新潮新書)

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