2017-08

猪瀬直樹東京都知事電撃辞任の読み方

 本日発売の週刊現代「ジャーナリストの目」で、先頃、辞任発表をした猪瀬さんについて書きました。

「自分なりに説明責任を果たすべく努力してまいりました。しかし、残念ながら疑念を払しょくすることはできませんでした。大事なこの時期に都政をこれ以上停滞させるわけには……」
 あれだけ粘っていた東京都の猪瀬直樹知事が、唐突にそう会見を開き、知事を辞任した。新聞やテレビで連日トップニュースを飾ってきた徳洲会マネー問題は、百条委員会審議が開かれる寸前だっただけに、当人が逃げたともとれる。が、せっかく当人が会見を開いたのに、記者たちの質問は生ぬるい。
「次の知事にはどんな人にやってもらいたいですか」
「1年で未練はありませんか」
 およそ40分の会見の冒頭で猪瀬本人が認めた「払しょくできなかった疑念」についての追及などほとんどゼロ。都議会で汗だくになり、あれだけうろたえていた知事が、時折うすら笑いを浮かべるほどだった。
 ただし、これで徳洲会マネーの問題が幕をひいたわけではない。ここまで疑惑がはっきりしている以上、東京地検が猪瀬の捜査を進めるのは間違いない。
 その真相解明のポイントは、もはやコロコロ変遷する猪瀬自身の釈明や言い訳ではない。徳洲会側、とくに重要なのが、次男で代議士の徳田毅の立ち位置とその証言である。仮に、毅が「1憶円を猪瀬に請求された」と述べ、説得力のある具体的な現場のやりとりを説明すれば、刑事事件化する可能性が飛躍的に高まる。

 事件のカギを握る徳田毅代議士が逮捕されず、連座制による失職で終わる見込み。その当局のやり方に首をひねる向きもありますが……。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://mori13.blog117.fc2.com/tb.php/1464-9cdfd010
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | HOME |  »

プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクションライター。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」受賞。主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)など。最新刊は「日本の暗黒事件」(新潮新書)

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する