2017-10

防空識別圏で迷走する日本政府

 本日発売の中央公論「森功の社会事件簿」は中国の防空識別圏問題について書いてみました。以下、一部抜粋――。

 極めて狡猾で、計算ずくの手口――。日本の航空関係者が呆れながらも、泡を食ったのが、中国による一方的な防空識別圏の設定である。日本のエアーライン各社は政府の方針に従い、圏内を飛ぶ際のフライト計画を中国当局への提出を拒んだ。だが、関係国との足並みがそろわない。米国や韓国などは中国の強硬なやり方を非難するものの、民間機の飛行計画提出については容認した。同じくタイやマレーシア、ベトナムといった東南アジアの航空会社なども、計画を提出していることが判明。日本の孤立感が高まっている。
 いかにも中国側の思惑どおりにことが運んでいるかのように見える防空識別圏問題。なぜ、こうなってしまったのか。

 ポイントはノータム(NOTAM)と呼ばれる航空通信手段。

「中国は北朝鮮のミサイル、テポドン発射のやり方を真似たのではないか」
 日本の大手航空会社幹部は、そう感想を漏らした。テポドンの発射もノータムに載せられて世界中のエアーラインに送られた。おかげで発射予定期間中、日本の民間機は日本海上空を飛行できなくなった。事実上、日本は領空の飛行の制約を受けたわけだ。中国は、それを尖閣の上空に利用すればいい、と考えたのかもしれない。
 むろん無茶苦茶な発想である。だが、日本政府はまんまとその策略に乗せられ、迷走する。

 もともと防空識別圏は米国が対ソ連の防御策として設置したため、同盟国である日本も採用。中国がそれを逆手に取った格好。ただし、民間機のフライト計画は別物なので、日本の対応は?
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森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクションライター。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」受賞。主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)など。最新刊は「日本の暗黒事件」(新潮新書)

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