2017-08

あっぱれ金銭要求のない「双葉病院」原発訴訟

 震災から3年を迎え、損害賠償請求が相次いでいます。福島第一原発から4.5キロの至近距離で取り残された双葉病院も、この3月11日に福島県を相手取って名誉棄損訴訟を起こし、新聞各紙に報じられています。いま訴訟が多いのは、3年で請求権の時効を迎えるため。患者を置き去りにして逃げた逃亡犯扱いされた双葉病院の鈴木市郎院長は、この間、なぜ県や自衛隊が病院を置き去りにし救出が遅れたのか、ずっと説明を求めてきました。が、福島県は真摯に向き合おうとはしませんでした。そこで、名誉棄損による損害賠償請求という形の裁判でそれを明らかにしようとしているわけです。
 双葉病院の場合、他の訴訟と異なるのは、賠償請求といいながら、金銭要求のないこと。県のホームページと新聞各紙での謝罪広告のみを求めるという異例の裁判です。が、むしろこのほうがすっきりしていいと思います。事故当時、無人の大熊町に取り残され、決死の覚悟で奮闘した鈴木院長らしい……。
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コメント

報道見て思ったのですが

救出に問題があったことで死者が出たのですから、国や東電相手に損害賠償請求訴訟が起きたりしないのでしょうか?

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森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクションライター。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」受賞。主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)など。最新刊は「日本の暗黒事件」(新潮新書)

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