2017-10

いよいよ終焉が近づいてきた橋下「大阪市長選」の考察

 今月号の中央公論「森功の社会事件簿」は、先の大阪市長選を振り返ってみました。

 万歳なしの不戦勝――。三月二十三日に投開票のあった先の大阪市長選の橋下徹市長再選を一言でいえば、そうなるだろうか。予想通り、といえばそれまでだが、二一〇万という有権者を抱える大阪市の選挙戦は、さっぱり盛り上がらず、あっけなく幕を閉じた。新聞各紙の指摘する二三・五九%という史上最低の投票率が、何を意味するか。まずは、そこを考察してみる。
 投票率については、二〇一一年におこなわれた大阪府市のダブル選挙と比べると、六〇・九二%から三七・三三%も激減している。減ったその三七・三三%は、当選した橋下の絶対得票率である一七・八五%の二倍以上になっている。数にすると、およそ三七万の得票に対し、投票所に行かなかった減少数は七九万に上る。
絶対得票率は、得票数を有権者数で割ったものだ。よく使われる分母が有効投票数の相対得票率とは異なり、文字通り候補者の投票行動が表れるのである。ちなみに今回の橋下の相対得票率は八七・五一%と、投票所に行った九割方が橋本支持だ。反面、それを有権者全体から弾き出した絶対得票率からみると、二割に届かない低い支持しかないということになる。
言うまでもなくここまで投票率が下がり、有権者が投票所に足を運ばなかった原因は、目当ての候補者がいなかったからに他ならない。その裏を返せば、前回のダブル選挙で投票率が高かったのはそれだけ有権者が橋下を支持したからであり、今回の投票率低下は有権者が橋下を見放したという結果なのである。
 おまけに今回の市長選では、無効票も激増している。前回は八八〇四票しかなかったそれが、実に六万七五〇六票に激増。二一〇万ほどの有権者数で割ると三%に相当する。絶対無効票率とでもいえばいいのか、この七万近い票も反橋下とみていいだろう。かつて七割近い支持率を誇ってきたスター首長は、いまや見る影もない。

 続きは本編でどうぞ。
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森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクションライター。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」受賞。主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)など。最新刊は「日本の暗黒事件」(新潮新書)

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