2017-08

朝鮮総連が本部ビルに拘る理由

 本日発売の中央公論「森功の社会事件簿」は朝鮮総連中央本部ビルの競売問題について書きました。以下、冒頭――。

「あの中央本部は同胞が苦労に苦労を重ねて建てたビルですから、執着するなというほうが無理です。当時、日本の国家権力に対する抵抗の意思表示として、靖国神社の〝となり〟を選んで地上げしたわけですから」
 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)のある元幹部と久方ぶりに会い、雑談の中で話題が朝鮮総連本部ビルの競売問題におよんだとき、彼はまっすぐ射抜くような視線を私に向けてそう言った。
 再調査協議が始まり、この夏から秋にかけ、大きな進展が期待される北朝鮮の日本人拉致問題。その日朝交渉において常にクローズアップされてきたのが、朝鮮総連の中央本部ビルの競売、落札である。
 総連本部ビルは、正式名称を「朝鮮中央会館」という。二四〇〇平米の敷地に建つ地上一〇階地下二階建て延べ床面積およそ一万二〇〇〇平米の鉄筋コンクリートビルだ。東京都千代田区富士見二丁目にある。総連では、信濃町にあったもとの中央会館が火災に見舞われたあとの一九六三年、この地に越した。バブル経済の走りだった八六年、朝鮮総連結成三〇年を記念して今のビルを建設した。元幹部の言うように、靖国神社に目が届くほどの至近距離にある。
 北朝鮮本国や総連がこの中央本部ビルにこだわる理由について、事実上の北朝鮮大使館として使ってきた重要拠点だからだとされてきた。しかし、しょせん単なるビルに過ぎない。近くの文京区白山には、朝鮮青年同盟や女性同盟が本部を置く出版会館もある。建物を競売にかけられているのなら、そうした他の施設へ移転すればいいだけのように思える。
中央本部ビルが大使館機能を果たしているのと同じように、全国に点在する他の朝鮮総連地方本部は公使館の役割を担ってきた。

 巷間、伝えられているように大使館機能を守るという理由ではないようです。
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森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクションライター。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」受賞。主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)など。最新刊は「日本の暗黒事件」(新潮新書)

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