2017-08

新政官業研究「社労族の系譜」

 日刊ゲンダイ連載の新政官業研究の「医療・介護編」の2回目は社労族の系譜。

 言うまでもなく現在の厚生労働省は、厚生省と労働省が統合された省庁であるため、それぞれの行政分野に通じた自民党の族議員が存在した。医療や介護行政に通じた国会議員たちは文字どおり「厚生族」、雇用や組合活動に詳しい議員は「労働族」と呼ばれてきたが、どちらも保険や年金など社会保障問題と切り離せない行政分野だけに、両方に精通する「社労族」という呼称もあった。最近の呼び方だと、さしずめ「厚労族」となる。
その社労族議員の代表格でいえば、故・橋本龍太郎の名前が真っ先に挙がる。言うまでもなく、小沢一郎とともに若くして将来の首相候補と期待されてきたエリート議員だ。猪口孝・岩井奉信の共著「『族議員』の研究」(日本経済新聞社刊)では、その橋本について、社労族4ボスの1人として、次のように紹介している。
〈初当選以降、橋本の族議員へのキャリアは、最も理想的なものである。彼は初当選後ただちに国会では社会労働委員会と文教委員会に所属し、同時に部会ではそれらに対応する社会、労働、文教部会とさらに外交部会に所属している。(中略)当選三回目には佐藤内閣の下で厚生政務次官に就任している〉
 元厚生大臣の橋下龍吾を父に持つ本人は、大臣秘書官を経て国会議員になり、国会の委員会と自民党内の部会の両方に在籍し、厚生労働関係の政策に携わってきた。1987年12月、第一次大平正芳内閣で初入閣し、厚生大臣に就任。初入閣ですでに厚労族議員のトップに躍り出た。以来、社労族の4ボスで最も若く勢いのある旧田中派のホープとして売り出してきた。
ちなみに4ボスの他の3人とは、労働省出身で旧宮沢派の斎藤邦吉、厚生省OBで田中派の小沢辰男、県議上がりで旧中曽根派の渡辺美智雄といった顔触れだ。(以下略)
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森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクションライター。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」受賞。主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)など。最新刊は「日本の暗黒事件」(新潮新書)

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