2017-10

新政官業研究「勢いを増す介護族」

 日刊ゲンダイ連載中の新政官業研究「医療介護族編」の4回目は、介護族議員。

介護族といえば、長年、自民党介護福祉議員連盟の会長として君臨してきたのが、元首相の森喜朗である。2012年12月の総選挙で政界を引退したあと、会長のバトンを野田毅に譲り渡した。
「その森さんを支えていたのが、介護議連事務局長の中村博彦参議院議員でした。中村さんは中川一郎さんの私設秘書から政治活動をスタートさせますが、その一方で社会福祉法人『健祥会グループ』の理事長として、老人福祉施設を経営してきた。介護施設の理事長が政治家になったのか、政治家志望の人が、社福を利用して国会議員になったのか、微妙なところです」
 そう話すのはある厚労省元幹部だ。中村は政官業のうち、政治と業界の両方に足場を置き、活動してきたといえる。65年3月、地元の徳島大学を卒業後、高校教諭などを経て、78年6月に社会福祉法人「育英福祉会」の理事長に就任し、育英保育園を始めた。そこから老人介護事業に乗り出し、80年4月に特別養護老人ホーム「水明荘」を始め、85年6月から社会福祉法人「健祥会」の理事長に就任した。県議経験はあるが国政では、04年7月の参院選で自民党公認を得て比例区で初当する。
「このとき公認を取るために働きかけた相手が森元首相でした。折しも同じ派閥の小泉政権下、介護保険制度がスタートして4年。法改正の必要も出てきた。で、あたかも業界側の代弁者として政界入りしたのが、中村さんだったのです。以来、森・中村の二人三脚で介護保険制度を拡充していったといえます」(同前・元厚労省幹部)
 介護市場が急拡大していったのは、これまで書いてきた通りだ。この間、中村率いる社会福祉法人「健祥会」も急成長。(以下略)

 9月から元の火曜日連載に戻りました。
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森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクションライター。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」受賞。主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)など。最新刊は「日本の暗黒事件」(新潮新書)

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