2017-10

ヤクザと企業舎弟「大物組長の息子に生まれて」

 本日発売の週刊現代短期集中連載「ヤクザと企業舎弟」も早いもので最終回。今回はある大物組長の息子の話です。

「もとの会社は1964年の東京五輪前後からあったので、社歴でいえば50年くらい。古い建築塗装会社なんですけど、もとはヤクザの組とは無関係の人が始めた会社で、父の関係でやり始めたのは、バブルが弾けた頃からです。創業者の社長が不動産に手を出し、バブル崩壊でどうにもならようになったらしい。そこで人づてに僕の父親を知り、『債権債務の整理がつかんので助けてほしい』と援助を求めらてきた。それが始まりだと聞いています」
 そう打ち明けるのは、目下、西日本で建築関連会社を経営している社長である。この社長の実父が、山口組の中核を担う名門の直系2次団体を率い、斯界では知らぬ者がいない大物暴力団組長だった。こう続ける。
「そこで父たちは、ヤクザ稼業だけやのうて何か生業を持っておいたほうがいい、と会社の経営を引き受けました。最初は便宜上、母を社長にし、創業者をそのまま営業担当として、仕事をとってこらせる形にして始めた会社でした」
 倒産の危機を迎えた会社が山口組の大物組長を頼り、組長がオーナーとなって会社再建を果たす。典型的な企業舎弟のケースといえる。

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森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクションライター。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」受賞。主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)など。最新刊は「日本の暗黒事件」(新潮新書)

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