2017-10

刑事告発で「大阪桐蔭」検察捜査の不安

 今月号の中央公論「森功の社会事件簿」は大阪桐蔭事件を取り上げました。

〈被告発人両名は、りそな銀行難波支店に開設された「大阪桐蔭中学校高等学校七夕会顧問 森山信一」名義の口座を共同して管理し、同預金を預り保管中、共謀して、(中略)少なくとも合計1200万円を、被告発人森山信一名義の口座に振込送金し、同口座に入金してこれを横領し……〉
 さる四月九日付で大阪地方検察庁に提出された「告発状」には、そう記されている。告発人は、「大阪産業大学教職員組合代表者執行委員長高神信一」、書面にあるように、業務上横領容の罪で刑事告発されているのが、大阪桐蔭中学高校の元校長である森山信一とその側近の経理担当者だ。大阪桐蔭は学校法人大阪産業大学の経営する中学高校であり、森山は大産大の副理事でもあった。
 これに先立つ三月末、外部の弁護士を中心につくられた「大阪桐蔭会計問題にかかわる第三者委員会」が森山たちの裏金工作について発表。前校長たちの裏金は第三者委員会が認定しただけで、実に五億円を超える。そして、その調査結果を元に、大学の教職員組合が刑事告発に踏み切ったのである。(中略)
 つまるところ、学校の経営陣に任せられないとして、教職員組合が刑事告発したのだという。現在、大産大の理事長としてその疑惑解明のカギを握っているのが、元検事総長の土肥孝治である。が、そこにも不安を覚えるとか。
「もともと土肥さんは森山さんたち経営側が招聘した人。果たしてどこまでやる気があるかどうか」(別の教員)

 関西検察がどこまで真相に迫れるか。
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森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクションライター。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」受賞。主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)など。最新刊は「日本の暗黒事件」(新潮新書)

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