2017-09

不発の「百条委員会」石原に軍配

 石原慎太郎さんの「ないない戦法」に打つすべなし。東京都の百条委員会についてマスコミは「解けぬ謎」と報じていますが、予想通りというか、何も前に進みませんでした。ぼけているように装っていながら、けっこう計算づく、議員たちも本気で追及しようとしていないし、どこに不正があるか、問題をとらえきれていないのか、はっきり言って、石原さんの楽勝だったといえるかもしれません。
 それもこれも、小池さんが「安心」の基準をはっきり打ち出さないから。というか、打ち出せないからなのでしょう。08年5月に基準値の4万3000倍というベンゼンが検出されて以降、石原さんが地下水汚染にまで踏み込んで、それを抑え込めたら「安心」としたのでしょう。が、ここへ来て、それが無理だと判明。「安心」できないのだから、小池さんは豊洲市場移転をあきらめるというべきなのに、そう言ってしまうと、それでいいのか、という反論が巻き起こる。なら築地はどうなんだ、豊洲は安全じゃいないのか、と。
 五輪問題でこけた小池さんとしては、悪玉の石原を成敗するという雰囲気のまま、なるべくグダグダ都議選まで問題を引きずりたいところでしょう。が、そううまくいかなくなってきたかも。
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森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクションライター。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」受賞。主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)など。最新刊は「日本の暗黒事件」(新潮新書)

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