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2019-10

なりものヤフー・井上雅博伝㉑「贅沢の極み」

 今週号の週刊現代連載「なりものヤフー・井上雅博伝」㉑は先週に続き、箱根の別荘を紹介しています。

将棋の駒の動きに由来するなり金は、えてして語源の趣旨ではなく、違った響きをもつ。無駄に大きな家に住んで絶世の美女をはべらせ、高級外車を乗りまわして豪勢な酒食に酔う。あか抜けない金満家――。やっかみも手伝い、軽蔑の対象としてネガティブに解釈されない場合が多い。
 井上雅博もまた、典型的ななり金に違いない。「団地育ちだからこのくらいは許される」
当人は親しい友人にそう遜った。その言葉の裏には、身の丈を超えた贅沢をしているという自虐的な意識とともに、自己承認欲求も見え隠れする。
しばしば見かけるなり金の行動パターンは、貴族の遊びを真似ているだけだともいえる。にわか分限に贅沢な遊びが似合わないのは、運よく手に入れた財力をひけらかし、一夜漬けの教養を自慢する底の浅い思慮が、透けて見えるからだろう。
ただし、井上は人も羨む娯楽を大っぴらにひけらかすことはしなかった。なぜだろうか。(以下略)

 気の遠くなるような贅沢――
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森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)など。最新刊は「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)

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