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2020-02

日産ゴーン「海外逃亡」見当違いの議論

 カルロス・ゴーンの海外逃亡に対してさすがに批判が高まっている半面、相変わらず日本の司法批判やクーデター説をことさらに大袈裟にとらえる声が耳にさわります。逃亡と捜査問題では、論点が異なるのは言うまでもありません。にもかかわらず、だからゴーンは逃げたというのですから。
 海外ではこうなっているとか、日本は遅れているとか、とかく日本人がグローバルという言葉に弱いのは今に始まったことではありませんが、では現状の捜査が本当に外国に劣っているのでしょうか。むしろ欧米に比べると捜査の精密性は高い。人質司法といいますが、勾留するのはそれなりの理由があり、どんな人でも保釈して自由にすればいいというものではないでしょう。
 なによりクーデターだから冤罪だといわんばかりの論調には驚かされます。事件や不祥事の情報が権力闘争からこぼれ出てくるのは世の常であり、要するにそこを見極めてどう捜査するか。子供でも分かる話なのに、実態を無視して日産の企業としてのあり方と犯罪問題をすり替えてしまっています。意識してそうしているかもしれませんけれど、日本の識者という方々はどうかしているのではないでしょうか。
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森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)など。最新刊は「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)

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