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2020-07

検察庁法改正一転「強行採決見送り」のわけ

 政府与党があれだけ拘っていた検察庁法改正の採決が見送られる見通しになった模様です。検察官は他の国家公務員と同じ行政官なのだから、国公法に定められている定年延長を認めろ、と主張してきた安倍首相。それを引っ込めた格好です。とつぜんの変化はなぜでしょうか。その理由は5月15日の『言論テレビ 安倍首相に「検察官定年延長問題」を聞く』の思わぬ反響かもしれません。
 ここで首相はインタビュアーの櫻井よしこさんに、1月31日に閣議決定した黒川弘務東京高検検事長の定年延長について「ぜんぶ法務省から官邸にもってきたものですね。(官邸は)なんら働きかけていないのですね」と振られ、すぐさま「ハイ」と名言。さらに「私自身(黒川さんと)2人でお目にかかったこともないし、個人的な話をしたこともありません」と答えました。
 すべて法務省が決めたもの、と官庁に押し付ける常套手段は、もとよりインタビューで用意された想定問答なのでしょう。しかし今度ばかりはありえない話です。官邸による法務省人事の差し戻しはこれまでも書いてきたとおり。さらに昨年11月に法務省が官邸に黒川の後継人事案を出した折もそう。黒川さんを処遇するよう、差し戻されたといいます。その挙句に定年延長の閣議決定。
 また黒川さんと安倍首相との面談についても、過去の首相動静に書かれています。「秘書官も交えているので2人だけではない」とご飯論法を展開するかもしれませんが、櫻井さんは「法務省内で定年延長の議論を始めたのが2018年の晩秋で、19年から刑事局で本格的に議論されてきた」とまで時系列を並べ、首相も「その通り」と……。
 さすがにここまで言うと、その法務省内の協議文書はどこにあるのか、と突っ込まれる。とどのつまり採決見送りは、予想外の反発でそこにハタと気づき、虚偽がばれると拙い、と判断したのでは。
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森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)、「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)など。最新刊は「ならずもの井上雅博伝 ヤフーを作った男」(講談社)。

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