2009-11

ミエミエの麻生「選挙戦略」に丸乗りの大新聞

 あれほど解散風を吹かせていた大新聞が、昨日今日あたりから一転。「衆院の解散見送り」「補正予算審議成立最優先」さらに「新テロ特措法審議入り」などと、まるで麻生首相のおっしゃるとおりのシナリオを垂れ流しています。米国の金融不安がおさまらないなか、補正予算、さらに追加の景気対策を審議すべきだ、と主張する麻生さん。新聞がこれをあたかも正論であるかのように、そのまま後押し報道しているのには、驚かされたというか、呆れました。
 日本の補正予算や景気対策など、いま起こっている世界経済の混乱に対しては、それこそ「屁のツッパリ」にもなりません。米金融危機が進めば、日本政府が何をやろうが、景気がどん底に落ち込むのは間違いない。麻生さんがまさかその程度のことをわかっていないとは信じたくありませんが、いずれにせよ、景気云々の発言は選挙向けの方便以外のなにものでもないわけです。
 仮に予算審議に民主が反対すれば、景気が悪いのは民主のせいだとなり、選挙を戦いやすいし、あるいは補正予算が成立しても、次の景気対策が必要で解散している場合じゃないと言い出す。そんな腹づもりではないでしょうか。
 米国も大統領選があるわけだし、本来、日本の政治空白が世界経済に影響するはずがありません。新聞は、なぜ、そこを言わないのでしょうか。まるで麻生政権のPRばかり。いけませんね。
 

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森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクションライターです。08年、「ヤメ検――司法に巣くう生態系の研究」、09年の「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事が2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」を受賞。主な著作に「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」(新潮文庫)、「ヤメ検―司法エリートが利欲に転ぶとき」(新潮社)、「許永中――日本の闇を背負い続けた男」(講談社)がある。日本の空港問題を検証した「血税空港――本日も遠く高く不便な空の便」(幻冬舎)に続き、9月、「同和と銀行――三菱東京UFJ牘れ役瓩旅い回顧録」(講談社)を発売。

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