2017-10

西松建設事件「スピード裁判」の迷走

 昨日の西松建設事件初公判が新聞各紙を賑わせています。例によって検察側の冒頭陳述に乗った「小沢一郎事務所の天の声」と民主党側の「検察批判」という両論併記をしています。記事のバランス上、ある意味それは仕方ないとは思いますが、一つ抜けている点があります。
 昨今の裁判員制度の流れを受けたものだとしても、公判手順がやたら早いという点です。これだけ世間を騒がせた事件なのに初公判で即日結審。7月14日には一審判決が下ります。検察側は西松からの要望で結審を急いだかのような言い訳をしていますが、どうも合点がいきません。社長逮捕から半年あまりという短期間の判決は、やはり異様なスピードでしょう。
 ただし、そのココロは、総選挙を控えた民主党・小沢イジメという短絡的なものでもないような気がします。新聞各紙は概ね、初公判で検察の説明責任を果たしたという論調です。検察側は初公判を世間への説明の場としたのでしょうけど、その一方で小沢さんの秘書の初公判を選挙後にずらすといいます。それなら西松事件の公判も、ずらすべきだったともいえます。どうも自民党と同じく、こちらも世の批判のせいで迷走しているようです。
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森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクションライター。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」受賞。主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)など。最新刊は「日本の暗黒事件」(新潮新書)

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