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2019-09

加計学園「獣医学部設置認可」森友との違い

 加計学園の獣医学部設置が林芳正文科大臣により正式に認可されました。目下、衆参両院の文部科学委員会でその件を審議中で、報道を見る限り、焦点は例の4条件をクリアーしているかどうか、国家戦略特区における官邸の関与はあったか、ということになりそうです。
 で、すでに小学校の開校を断念している森友学園と加計学園の違いはどこか、考えてみました。まず森友は、私学審議会で「認可適当」の答申を得て準備を進めてきたが、最後の大阪府知事の認可が得られないとなり、設置申請を取り合下げました。加計の場合は大学設置・学校法人審議会の「認可答申」を経て、文科相が認可を決定。流れは似ています。が、最後のところでストップをかけられなかった。その理由の一つとしては、籠池理事長夫妻の詐欺事件により、大阪府が認可をストップできる状況にあったこともあるでしょう。ただし、なら、仮に刑事事件がなければ、認可されたかといえばそうでもないでしょう。
 つまるところ加計にもさまざまな疑惑があるけど、それを封じ込めてきたから認可という話。国家戦略特区諮問員会という首相肝いりのお墨付きがあれば、審議会は無力であり、文科省や文科大臣も右へ倣え、という結果なのだと思います。

加計学園獣医学部「設置認可」の影響

 予想できたことではありますが、2日、文科省の大学設置・学校法人審議会の専門委員が、加計学園の獣医学部新設認可の答申を決定した模様です。読売新聞などによれば、首相周辺はこれで「プロセスに一点の曇りもないことが証明された」などと鼻の穴を膨らませているようですけど、世間の信用は回復できるでしょうか。
 その読売の内閣支持率は52%で不支持率は40%、日経にいたっては54%の支持率という数字を発表しています。一見、高そうに見えますが、衆院選の圧勝、第4次内閣発足という再スタート時にしては低調。やはり加計問題の影を引きずっていると言わざるを得ません。
 言うまでもなく焦点の一つはこれから野党の国会追及、つまるところ安倍さんは説明できず、加計さんや昭恵夫人の国会招致も実現しない可能性が高いので、国民の不信は募るばかりでしょう。その熱が冷めず、どこまで盛り上がるか、というのがもう一つのポイント。そして新たな疑惑や事実が浮かび上がるかどうか。
 意図的かどうかはさておき、政府としては、トランプ来日のドサクサに紛れた認可方針というタイミングではありますが、思惑通りにいきますかねぇ。

首相そっくり国家戦略特区民間議員の言い分

 昨日、国家戦略特区での獣医学部新設の決定に関わった諮問会議の民間議員たちが、前川喜平前文科省事務次官に反論する形で記者会見を開きました。メンバーは大阪大学の八田達夫名誉教授や竹中平蔵東洋大学教授をはじめ、特区に指定されている福岡市など6つの地方自治体の首長たちなので、さもありなんといえば、それまでですが。
 前川さんの「行政がゆがめられた」発言に対し、竹中さんなどは「ゆがめたのは文科省、われわれはそれをただした」「今回の決定プロセスに1点の曇りもない」とも言っていました。が、見ていると、安倍さんそっくり。というより彼らからの受け売りを、常日頃、安倍さんが使っているので当たり前かもしれませんが、何も根拠を示さず、「いっさいかかわっていない」「ご指摘はあたらない」といっているだけ。前川さんと比べどちらが説得力があるか、自明なのでは。

トランプ思いやり予算知らないのに信頼できるとは

 安倍首相とトランプ次期大統領の会談後、安倍首相はトランプについて「信頼できると確信した」などとリップサービスしていますけど、例によって会談の中身は一切明かさず。これでは何の意味があったのか、と首をひねりたくなります。
 事情通によれば、トランプさん、米国の地元記者から「日本が駐日米軍に対しどのくらいの思いやり予算を払っているか、知っているか」と質問したところ、答えられず。どうやらそれすら知らないようだとなっているとか。かつて米軍駐留費の7割負担とされましたが、思いやり予算といっても具体的にはどのくらいという正確な数字は資産の違いによってまちまちだそうで、大雑把に言って5000億円程度といったところだそうです。いずれにせよ、それほど出している国は他になく、防衛省では丁寧に説得すれば問題ない、と考えているみたい。つまるところ、トランプさんをその程度だと甘く見ているということでしょう。

医者余りなのに医学部新設する特区

  先ごろ、大学設置・学校法人審議会が国家戦略特区に指定された千葉県成田市で、国際医療福祉大の医学部新設を認め、松野博一文部科学大臣に答申したと報じられていました。お得意の国家戦略特区による先端医療のための特区申請ということのようですが、医師のあいだからは「間もなく医師が余る時代になるのに、なぜ新たな医学部を設置するのか」という疑問の声があがっています。
 医学部の新設には1000億円程度の資金がかかるとされていますが、特区構想の一環なので、国や成田市の助成がかなり期待できるとのこと。この国際医療福祉大は最近、急激に伸びてきた学校法人で、それだけにいわく付きでもあるらしい。今度の特区による医学部もけっこう奥が深い話のようです。

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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)など。最新刊は「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)

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