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2019-09

低次元のN国党「狂騒」

 本日発売の週刊現代「ジャーナリストの眼」のテーマは、評判の「NHKから国民を守る党」。「れいわ新選組」とともに、時代の寵児扱いです。でも、どうせ騒ぐならもっと実のある議論にしてほしいものです。

 憲政史上ワースト2位の低視聴率だった参院選に光明がないとはいえ、さすがにこれは時限が低すぎる議論ではないか。比例区で1議席の「NHKから国民を守る党」と2議席の「れいわ新選組」を、新聞やテレビがとりあげ、党首2人がときの人となっている。
 わけても民放のお気に入りが、「NHKをぶっ壊す」というキャッチフレーズのN国党の立花孝志(51)だ。連日ワイドドショーに出演させ、政界の風雲児風に仕立て上げている。
「放送法を改正してNHKの受信料払い義務を廃止し、自由契約に基づいて選択できるスクランブル放送を実現する」
N国党代表の立花の掲げている公約を要約すれば、そうなろうか。今度入居する議員会館の受信料も払わないそうだ。
一方、これに反発する向きは「公共の財産であるNHKの受信料払いは、日本国憲法で認められた国民の義務だ」と主張。たとえばN国党人気に冷水を浴びせたい大阪市長の松井一郎は、いつもの関西弁で記者団に珍妙な持論を展開する。(以下略)

 NHKがN国党を許すなら大阪市も受信料を払わない、と。なんともはや……。

なりものヤフー・井上雅博伝⑰「孫と井上」

 本日発売の週刊現代連載「なりものヤフー・井上雅博伝」は、ソフトバンクの孫正義社長と井上さんの微妙な関係について描きました。

 今さら念を押すまでもないが、ヤフー・ジャパンは、ソフトバンク社長の孫正義が、米国で始まったインターネットの会社をそっくり日本で再現しようとした会社である。ただし当の孫はヤフー日本法人の設立以降、業務にタッチせず、会議などにも参加しない。ソフトバンクの社長室長だった井上雅博にすべてを任せた。その孫がとつぜんヤフーの幹部たちと連絡をとり、業務に口を出すようになる。それが、ヤフーBBを始めようとしたときである。
 孫正義と井上雅博。同じ歳の二人は、ソフトバンクの社長と社長室長という上司と部下として、濃密な付き合いが始まった。井上の率いるヤフー・ジャパンがグループ全体の稼ぎ頭になると、経済評論家たちはソフトバンクを親に例え、ヤフーを出来のいい孝行息子だ、と言い表わしてきた。
もっとも孫と井上という両トップは、親と子、上司と部下といった単純な上下関係で語られるような間柄でもない。(以下略)

 続きもどうぞ。

闇営業「茶番会見」の行方

 二つの会見を見ているとあまりにおかしいので、本日発売のフライデーに寄稿しました。

 闇営業を巡るこの1週間の動きには数々の疑問が湧く。まずは、吉本興業のパワハラ問題である。
「記者会見するいうんなら全員クビや」
吉本興業社長の岡本昭明が闇営業に加わった宮迫たちの嘘を告げられたとき、そう口にしたという。それが、典型的なパワーハラスメントだ、と集中砲火を浴びたのは知っての通りである。
芸能プロダクションの社長が不祥事を引き起こしたタレントに解雇を言い渡す。厚労省は、パワハラを「職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える行為」と定義している。だが、そもそも、今度のケースが、業務の適正範囲を超えたパワハラにあたるのだろうか。(以下略)

 続きもどうぞ。

なりものヤフー・井上雅博伝「ならず者たちⅡ」⑭

 本日発売の週刊現代連載「なりもの」は引き続き、個性ある草創期のヤフー社員たちを紹介しています。

現在のヤフー・ジャパンの年間売上げは、九〇〇〇億円に迫ろうとしている。むろん以前のように広告収入だけではないが、事業規模は七〇〇〇億円の受信料を誇るNHKをはじめ、新聞各社やテレビ各局の名だたる大メディアをはるかに凌いでいる。
そのヤフー・ジャパンの広告収入を下支えしているのが、ページビュー(ウェブサイトの閲覧回数)だ。たいていウェブサイトの運営企業は、ひと月あたり一億を超えれば赤字を免れ、ひとまず安堵する。だが、ヤフー・ジャパンのそれは、けた違いの一〇〇億ページビューを数える。インターネット業界のガリバーと呼ばれる所以が、そこにある。
井上雅博は、ヤフー最大のヘビーユーザーだと自認する。取材したヤフー・ジャパンの幹部社員たちは、そんなパソコン、インターネットオタクの井上を敬愛してきた。そして彼らもまた、井上とよく似ている。(以下略)

なりものヤフー・井上雅博伝⑫「ヤフーのならずものたち」

 本日発売の週刊現代連載「なりもの」12回はいよいよヤフー編に突入します。

井上雅博は一九八七年一一月、ソフトバンク総研に入社した。三〇歳の誕生日を迎えた年のことだ。なぜソフトバンクグループで正社員にならなかったのか。のちに井上とともにヤフーを立ち上げた影山工は、井上にそれを尋ねたことがあるという。
「井上さんに理由を聞くと、『ソフトバンクに入社したとき住宅ローンを抱えていたからなんだ』と話していました。社員になると、むしろ給与ベースが下がったそうで、『会社側と給料の待遇が折り合わなかったので、俺はずっと契約社員採用なんだよ』と言っていました。それで、社内では井上さんのことを〝バイト君〟と呼んでいました」
 井上はソードをやめてソフトバンクに入社するまでのあいだ、五〇〇〇万円の住宅ローンを組んで世田谷区内に家を建てた。折しも、それはアムウェイのマルチビジネスに凝っていた時期とも重なる。
言葉を選ばずにいえば、井上は庶人の金銭感覚をそなえている。団地育ちが自らの原点だと自認してきた当人には、広い持ち家に対する強い憧憬があったのかもしれない。のちにヤフーを成功に導いた井上は、都心に高級マンションをいくつも所有し、温泉地に豪勢な別荘を建てる。(以下略)

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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)など。最新刊は「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)

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