2018-02

トランプ「TPP復帰発言」の深層

 昨晩、ダボス会議に参加したある企業幹部と会い、いろいろ話を聞きました。たとえばトランプの「TPPに復帰してもいい、」言。日本政府はこれをもって、「TPP11やEPA交渉の成果だ、トランプは焦っていて日本はこの先優位に交渉に立てる」と喧伝していますけど、まったく見当違いなのだそうでです。
 トランプのダボス会議のスピーチは予定されていた45分から大幅に短縮されて20分。予定稿を読み上げただけのもので、その中で一言TPPの話があったらしい。その真意は、あくまで2国間交渉が前提、もしもTPPで米国に優位な条件を提示すれば、という程度の話で、日本以外にこの発言を重く見ている国はないのだそうです。
 つまるところトランプは日本のことはどうにでもなるという前提でリッピサービスをしただけだとか。それより対中赤字の削減をどうするか、それがトランプのテーマで、頭を悩ませているとのことです。
 米国は穀物輸出による安全保障政策を重視し、すでに中国と駆け引きを始めているといいます。日本はこのところ一帯一路で中国に歩み寄っていますが、トランプがそれをどう見ているか、むしろそこが心配なのだそうです。

財務省はなぜ今になって文書を認めたのか

 本日発売の週刊現代「ジャーナリストの目」に、論戦中の国会で余裕を見せる政府・霞が関の声を紹介しました。たとえば、森友問題についてはこんな感じ。

「あれは財務省から国交省に『2週間で値引きの算定をしろ』と迫られ、従ったまで。近畿財務局ではなく財務省の本省マターで、国交省の大阪航空局という出先機関に命じたのだから、従わざるをえないのはあたり前。今さらそれを問題にされてもねぇ」(官僚A)
 値引き算定は、財務省によるやらされ仕事だから罪はないというのが、国交省側の言い分のようだ。(一部抜粋)

 国会は全体的に低調な感が否めませんが、ここへ来て、財務省が土地値引き交渉の文書の存在を明かしました。隠しきれなかった防衛省・自衛隊の文書と同じなのか、ひょっとすると反政権の動きがあるのか、などと推測しますが、その理由がいま一つわかりません。いずれにせよ悪いことではありませんので、たとえば加計学園による2015年の官邸訪問のときの文書も出してほしいものです。

笑っている場合じゃない「茂木経済再生担当相」

 線香問題で野党から追及されている茂木敏充経済再生担当大臣、隣の野田聖子さんとニヤニヤしていいますが、自民党内からも批判があがっています。茂木さん、選挙区の支援者に線香を配ったのは自分自身でなく、秘書だから公職選挙法違反にはあたらないと苦しい言い訳をしています。
 むろん秘書が議員の代理として贈り物をしていれば違法行為であり、「秘書は支援者に名刺を渡していないのか、どんな状況だったのか」と質問されても、「その場にいたわけではないからわからない」と。状況がわからないにもかかわらず、「違法行為ではない」というのはだれが考えてもおかしな説明ですが、それを繰り返すばかり。加計問題の首相答弁を思い出します。

週刊ポスト元編集長とつぜんの訃報

 週刊ポストの少し前の編集長だった粂田昌志さんが亡くなったと編集部の人が知らせてくれました。たしか粂田さんは今の鈴木亮介編集長から4代さかのぼった編集長で、小生とほぼ同年代。週刊ポスト全盛期にブイブイ言わせていた人で、いい時代の週刊誌を体験されてきた方です。が、反面、週刊誌が低迷期に入った時期に編集長となってご苦労をされたようで、ポスト以外にもネットのNewsポストセブンやSAPIOなどの責任者として、ずっと雑誌ジャーナリズムを支えこられた。
 死因は心不全とのことですが、まだ57歳。あまりに早く、残念です。
 心よりご冥福をお祈りいたします。合掌

なお、葬儀は以下の通り。

通夜 2月2日(金曜)18時より19時
告別式 3日(土曜)10時より11時
喪主 粂田郁子さん

会場 メモリアルセレス千代田21 3階
荒川区西日暮里6-55-1
電話03-3810-2211

『安倍晋三「悪だくみ」人脈の解剖』その4

 本日発売の週刊ポストに「悪だくみ人脈の解剖」4回目を掲載しています。

 関西医療界の寵児と評される籔本雅巳(57)は、安倍晋三最側近の一人に数えられる元外務副大臣の中山泰秀の仲人である。
 安倍と籔本もゴルフ仲間で「晋三さん」「ヤブちゃん」と呼び合う関係だ。二人で中山の政治資金パーティの発起人になってきたことから、大阪では中山が安倍と籔本の接着役だったのではないか、という説もある。だが、そうではないと断言するのが、ある自民党大阪府連の関係者だ。
「安倍家と籔本家は、もとは晋太郎先生の時代にさかのぼるはずです。晋太郎先生はミナミの料亭『大和屋』を贔屓にされ、大阪にもよくいらしていた。その時代に薮本さんのお父さんである秀雄さんと知り合い、懇意になったようです。息子の籔本さん本人が、晋太郎時代の安倍事務所の金庫番と親しくなり、いっしょにゴルフなどをしていたと言っていました。で、二代目の病院理事長の籔本さんが、晋太郎先生の後継者である安倍総理に近づいたのだと聞いています」
 米国留学時代からの40年来の仲間である加計孝太郎や昭恵夫人の遊び仲間だった35年来の増岡聡一郎に匹敵する、とは言わないまでも、相当長い付き合いなのは間違いなかろう。(以下略)

 このシリーズは連載はいったん休載して最終回とし、しばらくのち新たに次の展開に入ります。

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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクションライター。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」受賞。主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)など。最新刊は「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)

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